Once Upon A Poolside

csgb Vol.97

2023年5月26日(金)20:00~  @ Monet

Door: 2000yen

Guest DJ: T. Matsuura, tmym

DJ: Shinshin, 5atoru, tdsgk

今回もひらしょーくんお休みなんですが、先月に引き続きtmymさん、そしてなんと私のバンド仲間でもあった松浦孝行くんが出てくれます。なんか期せずして、20年以上前から良く知っている人々が会するイヴェントになってしまって、まあ生きていると色々あるなあ、とじーんと来ます。よろしくお願いいたします!翌日は東京出張!

 

AOBA NU NOISEのTシャツです!

aobanun

 

私の職場の目の前には公立の中学校があるのだが、先日職場の外に出ていたら大音量で、それこそアホな車が窓開けてガンガンに音楽かけているのか、というくらいの勢いで今様のヒップホップ~R&B的な、もしかしたらK-Pop的な音楽が聞こえてきた。

 

おや、と思ったらおそらく始業から2時間くらい経っている時間だったと思うのだけれども、その中学校のジャージを着た髪の毛の茶色っぽい男子生徒が自転車に乗って、スマホから大音量でその音楽を流しながら中学校に近づいているところだった。

 

スマホって音結構出せるんだなあ、と感心すると同時に、はて、と意味がわからなかったものだが、今日は私は職場から車で外出していて、11時くらいに職場に戻ろうとしたら件の男子生徒と、中学校からはちょっと遠いところで出くわした。

 

なんせ向かう方向が一緒だから車でその男子生徒と一緒に走ることになったのだが、別に彼は何ら音楽もかけていなかった。なんだろ、と思いながら一足先に(車なもので)職場に着き、車から降りたら、なんだか昨日聴いたような音楽が聞こえてきた。見ると、さっきは流れていなかった大音量のスマホから流れる音楽と共に、その男子生徒が中学校に接近していたのだった。

 

まあ社会や学校のルールに縛られず、自由に好きなことをしたいのであろう彼にとってみれば、もう始業時刻に学校にいるなんて愚の骨頂、ついでに地毛のままであるなんて耐えられない、それなら好きな音楽をローライダーの車から流れるヒップホップよろしく爆音でかけながら、その時間に学校で勉強している連中に対して、自分は囚われっちゃいないんだぜ、ということを全力でアピールしたいんだろうな、という風に思うのであった。

 

・・・と一応、職業柄穏便に書いておかないとまずいであろうから書いておこう。その自転車をうるせー、とか言いながら蹴り倒して、おめえみたいにその年齢でしかできないような恥ずかしいことを大手を振って調子に乗ってやってる生意気な奴むかつくんだわ、とか言って殴り倒して、そのスマホを取り上げて、それから流れる音楽をダサい、恥ずかしい、呪われた、邪悪な、悪魔のような音楽(おそらく皆コブク〇とかを思い浮かべるのかも知れない)に変えて、その万死に値する音楽が大音量で流れているスマホを口に突っ込んで歯の1本や2本へし折りたい、というような、そういう暴力衝動に駆られる人も中にはいるんだろうなあ、と容易に想像がつくけれども。

 

いつの時代も何かに抗う若者と物分かりの悪い大人、そして物分かりの良いふりをする大人がいるものである。私はわかりやすい形では何かに抗うような若者ではなかったし、物分かりが悪くも、そして良くもない大人になってしまったなあ。ただなんか好きなものは好きだし、なんか嫌いなものは嫌いだし、なんかむかつくものはむかつく、ということがわかっただけだなあ。

 

ということをなんだか調子に乗ってる中学生を見かけて思ったのであった。あ、私は穏やか、であるので誤解のなきよう、ね・・・。

 

ご想像の通りお疲れ気味なのでThe Nationalの「First Two Pages Of Frankenstein」を聴く。というかリリースされてからアナログ盤を購入して、それから不思議とずーっと聴いている。

9枚目になるアルバムである。ギターのAaron DessnerはTaylor Swiftとかのプロデュース等で大活躍であったが、意外にバンド本体は久々なアルバムである。今作はSufjan StevensやらPhoebe BridgersやらTaylor Swiftやら、という豪華ゲスト陣が参加しているが、それはまあ前作だって多数のゲスト陣がいたのでとくに珍しいことではない。だが、今作はなんか物凄くある意味穏やかな、そしてメランコリックなアルバムである。いつもの感じ、と言えばいつもの感じのいわば「The National節」みたいなものを堪能できる一方で、とくに新しい要素はない。ないのだが、それ故に完成度は詞も曲もアレンジも高く、とてもライターズブロックにMatt Berningerが直面していたとは信じられないほどである。とくに歌詞がですね、年齢的なものもあるのかも知れないけれども異常に染みる。別れる際のお互いにシェアしているものを持って行きなよ、と歌う「Eucalyptus」では、「Cowboy Junkiesはどうする?The Afghan Whigsは?」と共有していたのであろうCDのことを歌っていてそのバンドのチョイスたるや、思わず遠い目になったし、おそらく誰もが気になったタイトルであろう「New Order T-Shirt」に於ける「僕のNew OrderのTシャツ着て猫を抱いてビール飲んでいた君」との昔の描写、など、結構胸を締め付けられたり、他にもあーわかるな・・・、という感じの決して格好良くはないけれども、共感せざるを得ない歌詞連発で、ある意味若い人向け、というよりは・・・、なアルバムである。アップテンポな曲もあるけれども爆裂バースト、はなく、でも忙しないドラムと大らかな音の層の流れ、のような美味しい部分はしっかり楽しめるので、ある意味ここから聴き始めて遡っていくのも面白いのかも知れない、というアルバム。