Disease

白と黒、M~XLのサイズ展開ですよろしく!涼しくなってきましたが、昨日今日みたいに暑い日があったりすると、まだまだTシャツ必要ですよね。貴兄貴女からのオーダー、お待ちしております!
 
昨日今日と連休で、しかもワンオペだったので昨日は部屋でレコードの整理をしていたら(もちろんサグラダ・ファミリアなので終わるわけがない)あっという間に午後が溶け、1人でもやし鍋作って刺身とか豆腐サラダとかもつけてのんびり音楽聴きながら夕食を取り、のんびりレコード聴いていたら夜もすっかり遅くなってしまってどれ寝るか、とベッドに横になったもののなんか眠れない。
 
休日の夜はとても静かで、私の住まう郊外の町も大変静かなのだが、どこか遠くでサイレンが鳴っている。鳴っている、ような気がしていただけのかも知れないけれども、静けさの中に身を横たえてみると、すぐに耳の奥の方でサイレンのような高い音が聞こえる。大分遠くなのか、それとも本当は鳴っていなかったのか、本当に小さな音でずっと鳴っているのであった。
 
最近車に乗っていると、緊急走行している消防車や救急車やパトカーに出くわすことが非常に多かったので、何かがどこかでは起きているんだよな、と常々思わせられていたことが残っていて、サイレンの残響音が脳内にでも残っていたのかはたまた私が入眠しようとしている時にもどこかで何かが起きていたのか。
 
で、そうなってくると色々考えてしまって眠れなくなってしまったのだった。しかも悪いことには夕食に炭水化物を摂らなかったものだから空腹感まで襲ってきてしまって、なんだか今日は休みだったから良かったものの、結局浅い眠りについたのも大分夜が朝に近づきつつある頃だったので、目覚めて何だかぐんにゃり、とした朝だった。
 
でもやはり休日は良いのだ。例えば昨日のレコード大整理大会で、ずっと発見できずにいたThe Lotus Eatersの12インチが意表を突く場所(Lil' LouisとThe Red Crayolaの間)から発見されたりとかするから。12インチは背表紙がないのが多いからガチで記憶力勝負になってしまうんだな、となってくるとABC順に並べたら、という話があるのは百も承知なのだけれども、それは計画から実行に多分1年くらいかかる大事業になってしまうので人手が必要だ。私1人では何とも・・・。
 
しゃきっとするためにSwing Kidsの「Anthology」を聴く。
Anthology [Analog]

Anthology [Analog]

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こういうのが出ていてしかも安いよ、という情報を教えてくれる友達がいることはとても稀有なことである。1994年から1997年の間にのみ活動した、The LocustやらSweep The Leg JohnnyやらYaphet Kottoやら、キワモノ(というかアイディアに溢れた)ハードコアバンドのメンバーからなるカオスそのもののハードコアバンドのベスト盤である。CDで昔出た「Discography」

Discography

Discography

  • アーティスト:Swing Kids
  • Unknown Label (tbc)
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は全9曲でそれはそれは聴きまくったものだが、今回の「Anthology」は亡くなったギターのEric Allen追悼ライヴの際に2011年に再結成され、その時に録音された2曲が追加され、且つ曲順も変わり、リマスターもされ、という代物である。とは言え収録時間20分だった「Discography」が24分になった程度、且つ並列して聴くと全く違和感なく並んでいるので、大きく印象は異ならない。当然アナログも45回転であっという間に終わってしまう。のだが、この1曲1曲毎にぶち込まれた、技の決まりまくった目まぐるしい展開の連続に圧倒されるのはいつ聴いてもやはり同じ。バンド名や最初のシングルのアートワークからもわかる通りジャズにヒントを得ているらしく、確かに言われてみればジャズっぽいドラミングが一瞬通りがかったりもする、なあ、と思ったりもするけれども咆哮ととにかく切れ味鋭いギターの応酬の前では全てが幻、のような感じである。激情~カオティック、ながらJoy Division「Warsaw」カヴァーとか急に出てきてハッとさせられるのは、久々に聴いてもやっぱり同じだった(そもそもレーベル名Three One G.はこの曲から取られてるんだな)。Crimson CurseやSome Girlsも聴きたくなってきたのでまた部屋をひっくり返すか・・・。

 
 
 

Chorus Scene

白と黒、M~XLのサイズ展開ですよろしく!涼しくなってきましたが、まだまだTシャツ必要ですよね。貴兄貴女からのオーダー、お待ちしております!
 
まあなかなか歳を重ねてくると、昔は良かった、なんてことを1つや2つ、言いたくもなったりするのだけれども(そして実際そんなに良かったのか、と言えばそんなに良くなかったんじゃないかな、って後から客観的に考えて思うのだけれども)それは私に関しても他人事ではなく、ふとした何気ない時に、嗚呼昔はさ、なんて独り言を言いたくもなったりするので、ミッドライフ・クライシスとやらに知らず知らずのうちにやられっちまわないように、そういうことは意識的に避けなければならんな、と思うのであった。
 
そう、放っておくと甘いノスタルジーの罠に絡めとられがちになってしまう。ことコロナ禍のここ昨今、明らかにマスクだなんだ、という観点から行けば昔は良かった、となってしまうのは当然なので自分をハードに律して甘ったれてるんじゃないよ、と鼓舞して現世をサヴァイヴしていかなければいけないわけである。まあ、していかなければいけないんだけど、わかってるんだけど、まあ疲れることは疲れますわね。
 
という時にタイミング良いのか悪いのか『「FMステーション」とエアチェックの80年代』

という、元『FMステーション』編集部の方の回顧録的な本が文庫化されてしまったので読んでいた。これ、私の世代(まあちょいと早熟だったことは認めよう)だと、そうそう、と読めてしまうのだけれども、若い方々はどう読まれるのか、実に興味があるので皆さんに読んでいただきたい。大体FMラジオの番組表で放送される予定の曲が載っていて、それをカセットに録音するために色々雑誌でも工夫されていて、って言うかそもそもそんなFM放送の番組表をメインに据えた雑誌があったなんて、というのはちょっと世代が違うと、全く何を言っているのか、異次元の話なのかも知れないけれども確かにそういう時代があった、という貴重なドキュメント、でもある。80年代の半ばあたり、の話なのでなんなら文明開化以前の話、と捉えられてしまいそうではあるが。

 

でも、私個人の話はひとまず置いておいて、『FMステーション』という雑誌はその時代を鮮やかにがっちりとうまく切り取ったが故に、どうしても80年代、とは切っても切れない感じだったんだな、ということを読んで感じた。後発のFM雑誌故にうまいことやった、という感じやカセットに録音するリスナーのためのサーヴィス、など今ではなかなか知らないとピンと来ない感じのことを全力でやっていた雑誌だったのだな、ということを思う。トドメは表紙の鈴木英人のイラストであって、私は当時も今も大好きなのだけれども、やはりそこに一片のノスタルジーが介在することは否めない。当時のミスタードーナツのパッケージ、なんなら英語の教科書の表紙、その他店のポスターやら何やら、当時の「イケてる」感じに彼の絵はマッチし過ぎていた。それは全く悪いことではなく、一世を風靡した、ということなのである。だからこそどうしてもその時代と切り離せなくなってしまっているのだった。

 

まあ話が逸れてしまったが、本の内容としては『FMステーション』裏話、みたいなものがメインなので、当時を知る人はそうだったのか、と、また知らない方々にとってみれば、こういうことがある時代だったのね80年代って、みたいな感じで読めるから面白いだろうな、と思う。どうしても、なかなか現世とのリンクを探すのが難しいのが歯がゆいところではあるが、サクサク読めるうちに、世代によって色々な読み方ができるテクスト、としてかなり秀逸な気がしてきたのである意味カルチュラルスタディー的にも、歴史の考察的にも(固有名詞を拾って調べるだけでも、なんか時代の裏書ができそう)読めて良い本ではないか、と思い始めたからこれはある意味課題図書になりうる。

 

しかし私が熱く『FMステーション』に対峙していたのは今から37年から35年くらい前の話になってしまうわけで、そこらへんの音楽をいまだに熱く聴いている私としては数字が指し示すほど昔には思えない事柄なのだが、その当時の35年くらい前、とか考えると1950年、とかそこらへんの話になってしまってロックンロールが生まれる生まれない、とかいう時代の頃の話になってしまうわけで、20世紀というのは急激に色々発展した世紀だったのね、ということを改めて感じるわけである。

 

ところで『FMステーション』は1998年に廃刊だったらしいが、私は何年くらいまで読んでいたのだろうか。実は我が家では父が当時『FMファン』を購入しており、その後彼が『FMファン』と『FMステーション』の両方を購入するようになり、それから『FMステーション』一本化、という流れであった。だからめっちゃ私も84年からハードに利用していたものの、実は父の購入したものを活用していたのであった。

 

ラジオから曲を録音してカセットに保存、所謂エアチェック、というのはなかなか時間に余裕がないとできないもので、私も1987年に中学校に入学したらなんか時間がなくなってエアチェックからは遠ざかってしまったし、その頃には仙台に1985年に開店したタワーレコードのせいで、最早立派なヴァイナル・ジャンキーと化していたので87年の夏以降はあまり『FMステーション』をエアチェックに活用したり、じっくり読んだ記憶がない。最後にエアチェックした曲は多分Erasureの「Victim Of Love」

The Circus

The Circus

  • アーティスト:Erasure
  • Mute Records
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だった。いつもだったらすぐにいっぱいになってしまってどんどん増える一方だったエアチェック用の60分テープが、87年の4月くらいからスタートした1本はさっぱりいっぱいにならなくて、Erasureの同曲が60分テープA面の途中まで収録された状態で、それ以降は埋まらなかったんじゃないかな。

 

だからいつ父が『FMステーション』の購入を止めたのかはよく覚えてないのだけれども、高橋幸宏がクリスマスにおすすめのアルバム、として「今年はPrefab Sproutの「Jordan: The Comeback」があるや」

とか言って推していたのを記憶しているので、おそらく1990年いっぱいは買っていたのかな、と思う。しかしよくもまあ、色々覚えているものである私も。

 

Sarah Davachiの「Antiphonals」を聴く。

最近では女流ドローン作家と目される方々が花盛りであるが、そんな中でも代表格ともいえる彼女の新作である。メロトロンやらシンセにパイプオルガンやら弦楽器、更には声までも彼女自身が1人で担当して重ねられた音は、いきなり何も起きない、という感じでもなく抒情的なフレーズが導入して、その暖かさを保った音色のドローンに突入、という感じで実に、まあ何も起きない感じ、というのはおそらく大きいだろうけれどもかなり聴きやすく、すっと耳に身体に入ってくる感じで、優しい。とくにアクースティック・ギターに柔らかな音色の鍵盤が絡んで変容していく曲とか、あんまりこういう風に言うのもどうかとは思うのだが、夜に聴くと実にリラックスできるようなそういう手ざわりの音なので、彼女の作品は結構そういうノリが強いのだけれども、とっつきやすい柔らかなアルバム、である。こういうのを聴ける60分弱の時間は何とか1日の中で確保はしたいものだが、それもなかなか難しい昨今、貪るような勢いで針を落としてもすぐにすっと包み込んでくれるような、そういう稀有な作品。

 

Introvert

白と黒、M~XLのサイズ展開ですよろしく!涼しくなってきましたが、まだまだTシャツ必要ですよね。そして昨日のSHAFTのTwitchをご覧になった方々や、貴兄貴女からのオーダー、お待ちしております!
 
さて近況としては、仕事ではどこにいても誰かに捕まえられ、誰かに探され、何かをしていてもすぐに誰かに話しかけられ、という日々がずーっとここ最近続いている。
 
こうなってくると1日の終わりにはほぼ何も誰とも話したくない、と言う気持ちになってきて(いや実際問題、生活上そうはいかないのだけれども)大変に疲弊してしまう。なるほど、人間にはもしかしたら1日に人と話せる容量、というかキャパのようなものがあって、それを超えてしまうとどうもな、という風になるのかしら、と新しい気付きを得ている昨今である。
 
おお、今の世の中の状況からのリモート、とは違った意味で自分のためにリモートなところからリモートで何かをしたいものだ、とか思ったりもするのだがなかなかねえ。
 
ということでLittle Simzの「Sometimes I Might Be Introvert」を聴いている。

ラッパー、というかシンガーというか、同時に女優でもあるらしい彼女の4枚目のアルバムである。私は前作

と本当にたまたま店頭で出会い、珍しく試聴し、そして本当に珍しく試聴して惹かれてしまって以来の付き合いなので本当に大して彼女のことを知っているわけでもないのだけれども、前作は本当にシンプルな中にぶっとく、馴染みの良いビートにキャッチーなジャズファンク的なノリが散見され、渋いダブ加工が印象的ながら聴きやすいポップな作品であった。今作はそれと比べると、2枚組でヴォリュームが増し、且つサンプリングも往年の、まだ何だかおかしくなる前(と言っても良いのか)のKanye West

LATE REGISTRATION [12 inch Analog]

ばりに存在感を増し、ストリングスはあしらわれ、インタールードもあり、と言う感じで盛沢山、ではあるが基本的にぶっといビートに出まくる低音が強烈で、且つ関係者も絡んでいるSault

Untitled (Rise) [Analog]

Untitled (Rise) [Analog]

  • アーティスト:Sault
  • Forever Living Originals
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のようなキャッチーなジャズファンクのりも、80年代的デジタルなダンサブルさも、メロウな空気も、ヴォリュームが増した分クオリティはそのままにヴァラエティ豊かになっていて、めちゃくちゃ聴きごたえがあるのでこれまた今年のベストに入る作品。そして何よりも彼女の、内省気味なリリックを滑らかに言葉を紡いでいくようなラップ具合がまた、色々やってるけれどもポップでスムーズなバッキングと相まって、良いのよねえ。

Flower

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今日は朝、ちょっとのんびりだったから1人でレコードを軽く聴いてから仕事に出かけた。そうしたらそのレコードが、入手してから何回も聴いているのに、めっちゃくちゃ不思議と浸みて何だか泣きそうなほど感動したのだった。まあ今日の仕事もひっでえもんだったけど、朝の感動で乗り切れたようなものだ。
 
そして、帰宅して夕飯の支度のために夕方、米をしょきしょき研ぎながらふと、ああ今朝あんなにあのレコードが浸みたのは、米が最初に水につけた時に一番吸水するように、人間も朝、最初に聴く音楽が一番浸みたりするのかな、だからかな、と思ったのだった。起きたばかりの人間は水につける前の米みたいなもんだから、最初に聴いたものを一番吸いこんでしまうのかもしれない。
 
そう考えると私が平日の朝1人で朝食を食べている時は、全くテレビも何もつけずに黙々と食べているのは意外に無意識のうちに正解なことをしていたのかも知れないな、と思った。なんか変なニュースとか騒がしい声とか、そういうの吸収している場合ではないのだ。
 
だから朝イチの音楽が大事、ということで今朝聴いて感動したのはMega Bogの「Life, And Another」である。
LIFE, AND ANOTHER

LIFE, AND ANOTHER

  • アーティスト:MEGA BOG
  • PARADISE OF BACHELORS
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Erin Birgy嬢のプロジェクトで、私は前作

Dolphine

Dolphine

  • アーティスト:Mega Bog
  • Paradise of Bachelors
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に夢中になってしまっていたので新作も楽しみだったわけだが、前作に引き続きBig ThiefのJames Krivchenia等も迎えて、更にパワーアップしているのであった。結構何が新鮮だったか、って意外なまでに洗練されたその音作りで、Stereolabを彷彿させるようなオルガンの音やらボッサ感やらソフトロック感やらが混然一体となって、でも何だかスピード感があってダレない、という素晴らしいバランス感覚に感動したわけである。今作でもその路線は継続されていて、咽び泣くサックスも耳を奪うが、最早The Rotary Connectionのような、そういうちょっとサイケがかったソウルのりまで生まれてきていて、これは結構とんでもない場所からとんでもない角度で投げてこられた変化球が実は豪速球、みたいなボディブロウな1枚。しかも耳馴染みが良い洒脱な感じなんだけれど、どっか不穏な感じも拭えないところとか、ニューウェイヴ感もあるんだなあ、だから好きなのか。

 

 

Today

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おかげ様で体調は本当に大丈夫になって、日々仕事で激昂しながら(心はともかく)身体は元気に過ごしております。
 
同居している方が2回目のワクチン接種して、マジで翌日も動けないくらいに熱が出てぐんにゃり、としていたのだった。個人差はあると思うのだけれども、結構見聞きするところによると男性も女性もそういう話をよく聞く。
 
こんなエグイ副反応が出るようなワクチンだと、レギュラーで接種するような事態になるのはハードルが高いな、と素朴に思うのだけれども、そういうことが回避できる世の中になってもらいたいものだ。人間ダメダメだけれど、なんかそこらへんは何とかしてもらいたいものだな、と思う。
 
しかし翻って自分のことを鑑みると、私も同じワクチンを2回打って、副反応の「ふ」の字もないくらいの状態で不本意ながら翌日も普通に仕事行ったりなんだりしていたわけで、個人差と言えば個人差、なのだが何だか自分が、不気味な存在に思えてきた。私は一体何なんだ・・・?それとも、あの接種したもの、あれはいったい何だったんだ・・・?
 
バカは風邪ひかない、とはよく言われることだが、バカも過ぎると副反応も起きないものなのだろうか。そして本当に、ワクチンを接種されたのだとしたら、ちゃんと私の体内では作用しているのだろうか。そして本当に、まあ前から言われていることだけれども、ワクチン2回打ったら重症化しない、のだろうか。
 
何だか色々疑問だらけ、わからないことだらけの昨今だが、まあそれは様々なレヴェルで今に始まったことではない。ということで加藤和彦の「ガーディニア」を聴く。
ガーディニア

ガーディニア

  • アーティスト:加藤和彦
  • ユニバーサル ミュージック
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1978年発表の、安井かずみとの夫婦コンビ作としては2枚目にあたるアルバムである。なんかこのアルバムだけ出会う機会がなかなかなくて持っていなかったので、アナログ再発、というタイミングで購入して聴いてみた。余談だが、私には一切何ら関係ない、と思われているだろうし、私自身も思っていた所謂「シティ・ポップ」とやらの昨今の大ブームなのだが、今回のこの作品のアナログ再発は「City Pop on Vinyl」とかいう企画の一環だったらしく、遂に私にも接点ができてしまったのだった。さて今作であるが、それはまあ豪華なメンツが参加していて、高橋幸宏坂本龍一鈴木茂渡辺香津美笠井紀美子までいる。後藤次利のベースがうねってとても良いですなあ・・・。でも豪華ゲスト、というのもそれはそれで別に驚くべきことでもなく、全ては加藤和彦作品のパーツの一部、なのである。今作はなるほどシティ・ポップとやら、ねえ、というのも合点のいく滑らかなサウンドプロダクションに美しく流麗なメロディが乗っかった愛らしい曲が続くが、特筆すべきはそのボサノヴァやサンバをいとも軽やかに取り入れたアレンジ、であろう。おかげで全体的に大変涼し気、しかし異国情緒が強烈に立ち上がる瞬間もあり、アルバムとしてはかなり高いレヴェルで日本語歌謡曲と南米感のミクスチャーが出来上がった、実は結構凄いアルバムなんじゃないのだろうか。そのおかげか、あの(悪い冗談のような)線の細い、揺れまくる加藤和彦のヴォーカルが、ここでは不思議とバックと相性が良くて、あまり気にならずに聴ける。ここでのヴォーカルとバックのマッチ具合をベースに、ニューウェイヴの世界に旅立つ次作からの海外録音三部作につながったのかな、とか夢想するのも楽しい。ZUZUかずみ先生の歌詞も絶好調で、いやあこういう世界があったんだなあ、と豊かな気持ちになれると同時に、今では後継者もなく完全に失われてしまった世界であることを思い出させられて、寂しい気持ちにもなる。

 
 

Help

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なんかここ最近やれ体調が悪いだのなんだのを始めとして、なんとも鬱ブログ化しつつあったので、軽やかなブログを今一度目指したいものだ。あ、体調は昨日あたりには完全復活、と言えるくらいになりました。なぜそう言えるかというと一風堂でラーメンなぞ食べてしまって、しかも小玉と言えども替え玉までしてしまったのにお腹は全く大丈夫で、夕食にはチキンオーバーライスを作成して美味しくいただいて、それでも全くお腹が大丈夫だったからである。お騒がせいたしました。
 
ということで軽やかに。昨日夕方買い物に出かけようとしたら、我がアパートの共有エントランス(というほど大したものでもないけれども)にナスが1個落ちていた。エントランスにナス。まあ普通、あれ、と思うのだけれどもさして不思議にも思わず、お隣さんかな、と思いながらとりあえず出かけた。
 
何故お隣さん、と思ったかというとお隣さんのご実家が近所で野菜を作っていて、作った野菜を我が家の近所のJAのでっかい直売所でも売っているのだが、その直売所の休み(水曜日)の前の日(火曜日)には売れ残った野菜を大量にくれたりする。だから、野菜、と言えばお隣さん、とリンクしたのである。ちなみに先日ベランダで洗濯物を取り入れていたらお隣さんが帰宅してきて、挨拶したら我が家のベランダの手すりに玉ねぎを6個くらい並べられて、どうぞー、とくれたりした。良いでしょ。
 
で、買い物から帰宅したらまだエントランスにナス、だったので意を決してお隣さんのインターホンを鳴らし、ナスありますよ、と言って、やはりお隣さんの落とし物だったらしく、無事に渡せたのであった。
 
一件落着、と買い物してきたものを冷蔵庫に入れ始めていたら今度は我が家のインターホンが鳴り、お隣さんから今度はナスを10個もいただいた。落とし物のナスを1個届けたら10倍になってやってきた。なんか身銭を切っていないわらしべ長者のような話だが、宮城県仙台市の片隅では、こんなギチギチとした令和の世の中でも野菜を媒介にしたほのぼのコミュニケーションが行われているんだぜ。
 
「Rough Trade Shops Covers Vol. 1」を聴く。 
Rough Trade Shops Covers Vol 1

Rough Trade Shops Covers Vol 1

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私は今やその存在意義もサブスクの世の中に於いては風前の灯火、と思われるようなコンピCDというのが滅法好きで、とくにこのRough Trade Shopsのシリーズはコンプリートするくらい大好きである、と今書いて調べてみたら我が家にない、つまり私が知らないうちに出ているシリーズが2作ほどあることが判明。ヤバい、即買いだな・・・。コンピCDって、なんか色々なフォーマットで出ていたものを再編集してCDにまとめる、というのが好きで曲順や選曲にそれぞれ大いに意味があるように感じられるのだな。プレイリストもまあある意味コンピ、と言えるのだけれども新たな枠組みが与えられる、という点でわかりやすくコンピ、ってのが好きである。これは上にシリーズ、と書いたがRough Tradeのスタッフたちがテーマに基づいて選曲したコンピシリーズで他にも色々、「Country」だの「Rock n' Roll」だの「Post Punk」だの、色々ある。でこれはタイトル通りカヴァー曲を集めたものだが、まあ一筋縄ではいかないメンツで知ってるものもあれば知らないのも、当然ながらある。The DamnedにThe RaincoatsにKirsty MacCollにBongwaterにFlying Saucer AttackにBruce SpringsteenにIceageにMac DeMarcoにMinor Threatに、ともうたまらない面々によるカヴァー曲が、既発ではあるけれどもぎゅっとまとまっているのでトータルで楽しめるし、へーこの曲のこんなカヴァーがあるんだ、とか発見も夥しくある。さすがRough Tradeの店員さんじゃのう、と唸らせられること請け合い。久々に聴いたらめっちゃ盛り上がってしまって鬼リピート中。未聴の方は、今更CDなんて、とか言わずに是非とも一聴を。

 
 
 
 
 

Finger Pies

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ご無沙汰しておりました。
 
というのも体調が悪かったのである。

mthdrsfgckr.hatenablog.com

 

こちらのエントリにもそのちょっと前に体調が悪くて、ということを書いていたのだが、その後この間の月曜日に、ほぼ全く同じ症状で難儀していたのであった。

 

なんだか今日はお腹の具合がおかしいなあ、と思いながら過ごしていたら夕方に寒気を感じ、なんだか今日はダメだから早く帰ろう、と帰宅して熱を測ったら38℃くらいあって、あちゃー、とそれから何も食べずにずっと寝ていた。

 

これ、この間と全く同じ症状じゃないか、こんなに連続して同じ症状ってなんか変だぞ・・・、と不安を覚えながらずーっと寝ていて、翌日も仕事を休んで、起きて熱を測れば37.6℃とか38℃とかあって、しかもお腹はずっと痛くて、で大変に調子悪かったし、何より不安だったのでコロナウイルス関係のコールセンターに電話をして、まあまあ近所の発熱外来受付の病院を紹介してもらって、行ったのであった。

 

で、診てもらって、そして一応コロナウイルスの検査もしてもらって(鼻にぐりぐりとえぐい勢いで綿棒みたいなもの入れられて抜かれる奴)、結果陰性でホッとして、薬をもらって帰宅してまた寝て、という感じの月曜日と火曜日であった。

 

それ以降、熱は全然大丈夫であるが、お腹の調子がまあ徐々に良くはなりつつあるけれども、あまり本調子ではない。食べることくらいしか楽しみないのに、だいぶ良くなったとは言え何だかちょっと不安がつきまとう、というのは全くもって、なんか不愉快だわね。

 

よく拙ブログでは言っているけれども、様々なレヴェルでの不安がフツーに大手を振っているこの世の中で更に不安のレヴェルを追加してしまった、というのが何ともやるせないが、まあ健康第一、ということで気をつけていきたい。のだが、仕事の方が色々待ってくれてないので、体調悪いんでー、と言い訳しつつこなしている。がっつり休みたいのだが、そうもいかない、というのもなんか不愉快だわね。

 

しかしそんな中でも、火曜日、病院からの帰り道にかなり遠回りして、セブンイレブンはしごして到着していたレコードを3枚回収してまわる、という気骨のあることはやったので、私は元気です、と言う何よりの説得力ある報告になるかと思う。

 

Anikaの「Change」を聴く。

Change

Change

  • アーティスト:Anika
  • Invada
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ソロ名義ではなんと11年ぶりの新作、である。いまだに鮮明に思い出されるのは衝撃のデビュー、だなあ。当時タワレコのフリーペーパー「bounce」で紹介記事を読んで、PortisheadのGeoff BarrowプロデュースでStones Throwからのデビュー、ってそれだけで意味が分からなさ過ぎて、すぐさまファースト

Anika

Anika

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を買ったわけである。そうしたら内容もそういったデータを上回る謎の、NicoとAnita LaneがESGをバックに壁の向こうでカラオケ大会している、みたいなとんでもないアルバムで一気に要注目アーティストになった次第である。Ono Yokoだの「End Of The World」だの「Terry」だのの、どうしてこうなった、みたいなカヴァーも目白押しで、「なんかすげえ奴出てきたぞ・・・」と度肝を抜かれたわけである。その後EPとか出してExploded View

Exploded View

Exploded View

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OBEY

OBEY

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結成したり、Shackletonと共作したり、

Behind The Glass [日本限定盤]

Behind The Glass [日本限定盤]

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と、マジで期待を全く裏切らない素晴らしい活動をしてきたわけであるが、ソロは本当に久々でまず嬉しい。そして音の方も今回はカヴァーなしで、また前作と比べるとExploded Viewのメンバーがプロデュースに参加していて、わけわからなさが大分後退して、洗練されて聴きやすい。何より前作では狙っていたのかいないのか、ヘタウマからウマを抜いたようなヴォーカルだった彼女が、勿論その持ち味は生かしながらもヴォーカリストとして成長しているのが感じられる。今作から聴き始めると、ふーん、こういう感じなのね、で終わってしまうかも知れないが、流れを考えながら聴くとなんだか無駄に感動してしまう、まあ思い入れ込みではあるが傑作と言える1枚。