Silver

この前、髪を切ったのはもう4ヶ月も前の話なのか。

別に何か意図があってそんなに長いこと切っていないのではない。私の髪の毛は切ってから馴染むのに大体1ヵ月、それが徐々に落ち着き始めて2ヶ月、良い感じの違和感ない長さになるまで1ヵ月、と大体3ヶ月周期で回っているのである。ということで大体3ヶ月に1回の散髪、というペースが定着しているのであるが、今回は何だかプラスもう1ヵ月になっているのである。

切ろうと思った頃には美容院が休みだったり、それ以降時間が取れなくなったり、という様々な事情が重なって4ヶ月目に突入しているのであるが、その途中で、よし今回はちょっとのばしてみようじゃないか、というわけのわからない腹の括り方なぞしてしまったお陰で何だか4ヶ月、というこのグダグダ感なのであった。結局「のばしている」という形容よりも「切っていない」という形容の方が実に似つかわしい有様に成り果ててしまっているのだけれども。

しかし、この程度の髪の毛の長さでもうざい。うざすぎる。襟足は首に纏わりつくし、耳に被る髪の毛は何とも落ち着かないわ、洗髪している時も果たしてちゃんと洗えているのか毎回不安が残る。いやいや、早く切りたいものだ、と思うものだがこれがまたなかなかまとまった時間が取れなかったりするので、これはちょっと5ヶ月、という恐怖の事態も視野に入れなければならないのか。

しかしこの程度の長さの髪の毛で難儀している私としては、世の髪の毛の長い方々の精神力の強靭さには敬服するばかりである。途中で心が折れないのだろうか。丸刈りにするわー、とかならないものなのだろうか。まだまだ自分の甘さを痛感させられると同時に、風になびく髪の毛の陰には人知れぬ涙のドラマがあるのだなあ、と思うと何だかじわーと来るのであった、って阿呆か。

Echo & The Bunnymenの「Ocean Rain」を聴く。84年リリースの4枚目のアルバムで、活動休止前の最後のアルバムである。とは言えオリジナルバニーメンは87年に次の作品を出して消滅してしまうのだが。さて、当時からこのアルバムは賛否両論であったが、それはこの流麗なストリングスとか、全体を覆う何だか人によっては過度にロマンティックと思われそうな空気のせいであろうか。ヒリヒリしたそれまでのバニーメンの勢いは若干後退していて、どちらかと言うとじっくりと聴かせる曲が多い。勿論テンションたっかい曲もあるのだが、少なくともめちゃくちゃギリギリです、みたいな感じはあまりしないのであった。で、それが悪いのか、と言うとそんなことは全然ない。メロディがどの曲も本当に美しい。それまではうわーって勢いでアルバム仕上げました、的な風情が多少なりともあったように思うのだが、本当にじっくりと練られたアルバムなのだなあ、ということをフツーにリリースから25年経った今聴いても思うのであった、って25年か・・・。何か、Scott Walkerとかを彷彿させるような瞬間もあって、Ian McCullochのその後の活動のヒントが見え隠れする作品でもある。それでも、それでもIanのソロではなくあくまでEcho & The Bunnymenの作品である、と強烈に印象付けるのは、Will Sergeantのギターワークに負うところが大きいのだが、何処となくサイケデリックな感触なのである。で、それがやはりたまらないのだなあ。そして「The Killing Moon」って本当に名曲だなあ、と今更思いを新たに。エコバニの最初に聴くべきアルバムではないのかも知れないが、決して外すことの出来ない名盤。ところで、私の持っているこの2003年のリマスタープラスボートラのエディションも大変素晴らしく内容が充実しているのだが(スタジオライヴのゆるーい「All You Need Is Love」とか)、更にデラックスエディションも最近出た、とかって一体どうなっているんだ・・・。同じ客からしか金を取ることを考えていないのか・・・。ジャケ写リンクは左側が2003年エディション、右側が昨年出た2枚組のデラックスエディションです。