Alphaville

今日仕事で街中に出たのだが、もうクリスマスの広告やら何やらが溢れかえっていて、物凄く焦燥感に襲われた次第である。年末に向けてただでさえ気が急くというのに、これはもう本当に今年中にやり残したことをやらなければ、ととくに思いつくわけでもないのに走りだしたい気持ちになってしまうではないか。

そんなわけで帰りに煙草でも吸おうと駅の喫煙所に向かい、煙草に火を点けたところで時刻表を確認したらばあと3分で電車が出ると知って慌てて火を消してダッシュした際のその焦り、その走りっぷりはまさに年末に向けての焦燥感を体感体現したものだと思うのだが・・・。

ったく煙草も値上がりしたというのに無駄にしてしまった、という嘆きと共にBryan Ferryの「Olympia」をやっぱり今日も聴く。そして書く。今日ヘッドフォンで聴いたら、昨日も言及した音の層は勿論のこと、至るところで色々な音が鳴っていて、まるで四方八方から襲われているみたいな気持ちになった。このベースはManiでこの部分はFleaか、とかこのギターは誰でこのギターは誰で、はたまた今入ったギターは誰で、そしてよく聴くとずーっと鳴ってるこのギターは誰だ、とか色々思わせられるが、やっぱり今作は「まとめあげ」の技のアルバムだと思う。こんなに詰め込まれているのにシンプルに思えるのだからなあ・・・。やっぱり今年を代表する1枚に決定、ということでここ数日本当にこのアルバムに心酔しているのだが、どのフォーマットを買うのかが大問題であった。ボートラ入り日本盤(発売日が一番早い)、通常輸入盤、DVD付きで日本盤とは異なるボートラ2曲入り輸入盤、そしてそのDVD付きのエディション+リミックス集のデラックス版、と実に悩ましい。結局アマゾンでデラックス版を予約したのだがさっぱり入らず入荷遅れの連絡が来たので激昂した挙句店頭でDVD付きのを買った。それからしばらくして今度閉店してしまうHMVに行ったらなんとデラックス版があり、今世紀最大の苦悩の挙句に購入、ということで散々踊らされた次第である。まさに「You Can Dance」。思えば「You Can Dance」のDJ Hell Featuring Bryan Ferry名義のシングルも12インチ3枚と7インチ1枚とか言うふざけたフォーマットでリリースされて大いに難儀したものである(買ったか買わなかったかご想像にお任せしますが、どのリミックスも素晴らしかった)。ちなみに最初に買ったDVD付きの方は今年の末にとある方(まあ歩くウィットマーク・デモズWitmark Demos: 1962-1964 the Bootleg Series 9の方)に買っていただく方向で調整中。

ということで最近よくある商法に見事にやられた私であるが、DVDはアルバムのメイキングで豪華ゲストの方々や、独特のアルバム制作の仕方が見れるので凄く面白かったし、更にボートラ2曲が素晴らしいので後悔はしていない。John Lennonの「Whatever Gets You Through The Night」のカヴァーは不気味な軽さ故にとくに聴けてよかった、という出来である。ちなみにリミックス集にはあまり期待していなかったものの、イタいリミックス(なんかハードハウスみたいな・・・)もなく、どことなくホッとするようなグルーヴが漂うなかなかの出来だったのでこれも後悔はしていない。まあ、喜ぶ特定の人向けではあるのだけれども・・・。とくにリミックスということ自体、93年の「I Put A Spell On You」のシングルに入ってたリミックス以来なんじゃないか、とか興奮する私のようなめんどくさい人向け。

ちなみにリンク画像は左からDVD付き、通常盤、デラックス版、です。そして今見たらアナログも出るのか・・・。もうそういうの止めてダウンロードだけにしてよ、とは口が裂けても言わないが、いやはや何だここ最近のこういう感じは・・・。