Amy

折角今日は昼に大変美味しいラーメンを食べ(あんなに遠くなくてあんなに人並んでなかったらかなりの頻度で行くんだがな)、仕事もちゃっちゃと終わらせてThe Crimson CurseGreatest Hitsの中古CD買って帰宅して、というなんだか珍しく気持ちの安定した1日だったのに、帰宅してテレビつけたらスカパーで湘○乃風の「○恋歌」PV見てしまって(いや別に湘南○風好きな人に対してああだこうだ言っているんではないのでお気になさらず)、そっから連想してついでに帰りのコンビニにたむろしていたうざい中坊連中のことも思い出して全てが台無し。

でも良いんだYann Tiersenの「Dust Lane」が我が家で鳴っているから。映画「アメリ」とか「グッバイ・レーニン」とかのサントラ担当者としてもお馴染みの彼の、ANTIからのリリース第一弾である。サントラ仕事とは別に今までもソロアルバムは数枚出していてCocteau TwinsのElizabethとかTindersticksのStewartが参加してたらそりゃあ聴くLes retrouvailles、ってもんであった。で、今作であるがちょっと今までとは違って打ちこみは全くなく、ドラムスにべースにギターにその他諸々、と生の音で統一されていて何とも生々しい音楽になっているからちょっと驚いた。とくにラストの曲なぞ(「Fuck Me」って曲なんだが)、これはBelle And SebastianかThe Pains Of Being Pure At Heartか、というくらいの男女デュエットインディポップなバンドサウンドで、こんな展開アリなんだ・・・、とあっけにとられるくらいである。ストリングスやギターが壁のように曲の途中からドラマティックにこみ上げてくる感じとかスリリング過ぎてドキドキさせられる。今作ではとくに、ミックスはSigur RosとかやってるKen Thomasらしいが、アナログシンセの舞い方やギターの歪んだ音が印象的で、なんつーか上記のような映画仕事の人、という印象を持って接してしまったらばちょっと大変な目に遭いそうな、そういうラフな手触りが(しかし緻密に作り込んであるのは明白なんだけども)印象的なアルバムである。ただ、それでも全体を拭いようもなくメランコリックな感じが覆っているのはやはりこの人ならでは、という感じである。Leonard Cohen的メランコリー、というか。そこで連想したのはThe Third Eye Foundation名義でお馴染み、Matt Eliottの一連のソロアルバムSongsのおっかなくない版、という感じだったのだがクレジット見たら思いっきり彼も参加していて大層びっくりした。ジャケの感じも含めてこれからの季節の切ないお供になりそうな予感。ちなみにHenry Millerを歌詞に使ってしまったり、とかそういうところもあって、何だかいちいちツボなんだな。

ちなみに毎度恒例になりつつあるフォーマット問題なのであるが、ネットで調査してみたらUK盤(Muteから)アナログには同内容のボーナスCDが付いている、という情報があり、ではアメリカ盤はどうなのか、とハードに調べまくってもアマゾンでは全くそんな言及なし、ANTIのHPにもそんな言及なし、挙句の果てには日本語で書かれているブログでもアメリカ盤にはCDは付いていない模様、とか書いてあって大いに悩んだが、ある海外のサイトに唯一、ANTI盤アナログにもボーナスCD付き、という記述を発見して賭けのつもりでアマゾンにオーダーしたのであった。結果は、見事勝利。同内容のCDが付属していたのだった。やっぱりな、ANTIこないだのMavis StaplesもアナログYou Are Not Alone [Analog]には同内容のCDついてたからな、とか勝ち誇って考えたのだが、こういう悦び方してるのって今の世の中、暗い、っつーか超マイノリティになってしまうのかな・・・。でも今回のこのアルバム、アナログだとA面最後の無音部分でB面1曲目の冒頭がループしてたり、とかそういう「ならでは」の仕掛けもあったりするんだけれども、ダウンロード世代にはどうでも良いことですね、はい。だけどもリンクはCDもアナログも貼るのだ。