Walking Far From Home

とりあえず前エントリで話題にした「俺様CD」の80年代編を作ってみたのだが、80分、って短いな・・・。そして作って聴いてみたら、案外まとまった感じになってとても和んでしまった。しかしおそらく90年代の後半、00年代ものとかは狂い始めていく過程のドキュメントみたいになってしまうのではないか、と客観的に不気味な感じがしている。今週末に作ってしまおうとか考えているのだが、なんかこう、直視したくない現実を目の当たりにしてへこむんじゃないか・・・、と我ながら危惧しているのであった。何はともあれSHAFTのビールの半額以下くらいで販売しようとしているのでよろしくお願いいたします。

ところで突如タンメンが食べたくなって、そしてあまりお金もかけたくなかったので、久々に、実に久々に(6年ぶりくらいじゃないか)○楽苑に行ってみた。昔の会津っ○゜時代はよく行ったものだなあ、とか思いながら行ったら店内ではジャズが流れている、という最大公約数的に「落ち着いた店内ですよ感」がビンビンに醸し出されていて焦った。いつの間にそんな感じに・・・?店構えは全く変わらないのに・・・。

そしてメニューを見て愕然とする。タンメンがない!タンメンを食べたくて行ったのにタンメンがない!昔は会○っぽと言えばタンメン、的な気持ちだったのに・・・。幸楽○になった当初もあったのに・・・。これでは今回幸○苑に来た意味がないではないか・・・。

しかし入って席についてメニュー見て店出る、というのもなんかクールではない感じがしたので台湾風辛しラーメン、というタンメンとは真逆のベクトルに突き進んだメニューをチョイスしてみた。まあタンメンに求めるものとは異なっていたがなかなか美味しい。麺が何だか柔らかすぎじゃね、と思ったがまあ美味しいことは美味しい。でも幸○苑に行く、と決めた時から頭の中の記憶が口内も支配していたので、なんだかガッカリ感が相当なものだったことは否めない。生きるということはさよならの連続みたいなものだけれども、こんなところでさよならも言えずに会えなくなるものが生じるとは。いかに人生とさよならが分け隔てがたく結びついていることか思い知らされた次第である。

まあ、そんなに大したものだったか、幸楽○のタンメンって、と冷静に己に問いなおせば、まあそんなんでもなかった、と今なら答えられるのだけれども、昨夜の衝撃たるや・・・。リカヴァリーのためにIron & Wineの「Kiss Each Other Clean」を聴く。久々の新譜だなあ、とか思っていたらレーベルもSub Popじゃなくアメリカではワーナー、UKでは4ADに移籍していた。しかしいまだに4ADと聞くとときめいてしまって気になってしょうがないのは、80年代90年代に同レーベルにずっぱまってしまった者特有の後遺症みたいなものなのだろうか。もう今では全然別物だというのに。だからTwin ShadowForgetとかも無条件で聴いちゃったんだよな、嫌いじゃないし悪くはないけど。話がそれた。Samuel Beam(同い年だった)のソロユニットである。前作Shepherd's Dog (Dig)が大好きだったので今作もとても楽しみにしていたのだが、今作はこれまた今までとは趣の違う1枚になっているように思える。もうカントリーっぽい、とかアメリカーナがどうこう、という問題ではない音になっていて思わず怯んでしまったのだが、このまるで10CCの「I'm Not In Love」が何曲も続いて出てくるような、やさしい音の感触は嫌いになれるわけがない。しかもSamuelくん(←同い年なので馴れ馴れしく呼んでみる)の優しい歌声との相性が素晴らしく、なんだかふわーっと入り込んでくるような、そういう音になっている。Belle And Sebastianの新作Write About Loveに若干のプログラミングと渋さを足したような、そういう感じ、と言えなくもない。要はAORっぽい空気が、ということなのだがその一方で微妙にアフリカ風のリズムが絡んでくるあたり、前作で見せた多様なアプローチはここにも見え隠れしていて何だか一筋縄で行かない、なんかやっちゃいそうな火種が仕込んであるあたりもスリリングである。ところで聴いてて思ったのだが、彼の曲って同じメロディを何度も繰り返して積み重ねていくパターンが多いのだな。曲の中でメロディがドラマティックに変容していったりするわけでもないのだが、その繰り返し&積み重ねがじわじわじわじわ効いてくるのだなあ。地味かも知れないけれども、今年の重要な1枚になることは間違いない。