No Action

(申し訳ないですが私の携帯の番号やアドレスをご存じの直接の友人知人に向けての限定の告知になります。すみません。)
仙台市のはじっこ、仙石線陸前高砂駅東北本線岩切駅の間あたりの我が家ですが、もしよかったら水を汲みに来てもらったり、風呂に入りに来てもらいたい、と思いますガソリン不足のためお迎えにあがることはできないのですが、自力で来れる方には喜んで提供する準備ができているので是非遠慮なくご連絡ください!ガソリン入れ次第、送迎付きにしたいところです!

311から一週間以上経ったが、我が家は申し訳ないくらいの勢いで復興しつつある。

否、申し訳なさがる必要はないか。それぞれが、それぞれできることをこの街ではしていると思うし、思いたいし、それをしてから外へ出れば良いだけの話だ。

余震だか違う地震なのかわからないが、それは確かに多い。しかしそれは皆共通のことだし、落ち着く日は来るだろう。ともかく、通電して水が出て片づけも捗って我が部屋も大分落ち着いた。今日は野菜を買うために2時間並び、その後また別の八百屋に1時間程度並んで野菜を買ったりした。まあ別に並んで待てば良いだけの話だから大したことではない。大きなスーパーの前には物凄い行列ができているが、それも落ち着く日は来るだろう。っつーか来てもらわないと困る、というものであるが。ガソリンスタンドの前には給油再開のメドがまだない中で車の長蛇の列ができているが、それも落ち着く日は来るだろう。これもまた、っつーか来てもらわないと困る、というものであるが。私が住まうアパートの他の住人たちも大分落ち着いてきた。2階の部屋の住人が一気に6人+犬1匹になっていたのには心底たまげたが、それも大したことではない。それも落ち着く日は来るだろう。ちょっと余裕ができたから親戚の家のことやその地域、または別の津波で被害を受けた地域のこととかを考えたりするが、徐々に復興しているだろうし、私も落ち着いたら行きたい。当初の混乱は収まってもまだ混乱はあるだろうが、それも落ち着く日は来るだろう。すぐにでも行ける日は来るだろう。

ということで私は何だか、「希望でも持たないとやってられない」という不思議な、前向きなんだか後ろ向きなんだかよくわからない状態になっている。これは良いのか悪いのか。地震後の大変だった状態の反動のせいなのか、レイディオから繰り返し流れ続ける絢香アンパンマンマーチとゆずとドリカムとコブクロのせいなのか。そして落ち着いちゃったら逆に希望がなくなるのか。まあ、それはそれで希望を持つこと自体、悪いことではない。一種のハイ状態みたいなものなのかも知れないけれども、それも落ち着く日は来るだろう。

ということで音楽も聴けるようになってきているわけで、これは精神の復興の証であろう。何故かElvis Costello And The Attractionsを欲する日々である。「Armed Forces」Armed Forces (Dig) (Spkg)の(まあボーナス的な)「( What's So Funny 'bout ) Peace, Love And Understanding」を浴びるように聴いてからなんだかコステロ熱にやられている。とくに初期コステロ熱がやばい。今日は喝を入れるべく「This Year's Model」を聴いた。セカンドである。デラックスエディションなのだが節電だからアルバム本体のみを気合い入れて聴いた。ジャッキジャキのギターに狂騒的なオルガンに、時に優しい、時に切り込むCostelloのヴォーカル、あっという間に終わってしまうアルバムであるが、その尺も曲も演奏も全てタイトにビシッと決まったアルバムで、まさに痛快、の一言である。そう、コステロの初期は本当に痛快である。何よりもコンパクトで矢継ぎ早に射出されていくような音楽なのだ。触れると傷つくくらいの勢いで。でもそれだけじゃなくて、その傷を手当てするような包みこむ勢いもあって何だか舌を巻く。だから今こんな時期に聴きたくなるのかな。まあ最新作National Ransomも勢いで聴いたけど、そういう気分じゃなかった、ってのは言わなくても良いことか。