Movin' On Up

今月は24日(日)にAOBA NU NOISEあるみたいですよ。どれ、またいっちょかましますか!告知は詳細分かり次第ここでお伝えいたします。

ということでまたしても余震のお陰で停電してて、電力が復旧したのでまたこうして綴っているのである。ちなみに前エントリのコメント欄最後に私の安否情報を書き込んでくれた男こそが、「歩くブリンギングイットオールバックホームUKモノラル針飛び」であることは賢明な読者諸氏にはもうおわかりであろう。

というか、あんなバカでかいのが余震であってたまるかよ、というのが本音なわけであるがどうやら世の中的には余震らしく、地元のレイディオでも一夜明けて何か色々緊急の情報でもやっているのか、と思いきやフツーに下らない元スポーツ選手がたどたどしい喋りを披露する番組を朝からやっていて、はあ、となったものである。職場に行ってみれば行ってみたでなんか他の人との温度差を感じる、というか。もう我が家は大変なことになっていて、お天道様が出ている間が復旧の勝負、とか言う時に待機とか言われて無益な時間を貪っているわけにもいかないというのに。

というか余震、と呼ばれるこの間の夜の地震の立場になって考えると、自らが「余震」とか呼ばれる現状について情けなく思わないのだろうか。あんな震度6強とかかましておいて「余」とか呼ばれる己に関して。いや、まあ、どうでも良いのだが、我が家的にはこの間の311よりも被害がでかかったもので。まず直後に階上から水、というかお湯が漏れてきて、停電で真っ暗な中、上から流れてくる水をバケツで受け止めながら床の上の水を風呂場まで掃いて、とかやっていたわけである。幸いそんな大規模なものでもなく洗面所辺りがお湯びたしになった程度で済んだ。

で、外に出てみたら潮の匂いが凄かったので、なんか津波やばいんじゃないか、と家内ととりあえず脱出してみた。こちらも幸いにしてあっさり警報が解除されたので1時間後くらいには帰宅できたのだが。

ちなみに、今回揺れた時には在宅だったもので食器棚を抑えることをメインに行動した。お陰で食器は全く割れることなく無事であった。しかし以前から壊れかけだったキャスター付きのCDラックが今回は見事にぶっ壊れて倒れた。レコードボックスもまたしても3,4段目あたりから崩れ、1個壊れた。ということで前回の311の時よりもCDの海が我が部屋を覆っている。なんか直すガッツがあんまりないのでまだほぼそのままなのだが、いやこれは凄い。富士の裾野のようにCDが山になり広がっている。でも震災時の写真撮って、公開、というのはよくある話だが、私にとっては屈辱以外の何物でもないのでそんなことは死んでもやらない。代りにこんな写真を。

しかしやはり今回も一枚も割れてはいないようである。少なくともレコードは大丈夫である。CDのプラケースはまたしても面白いくらい割れていたがまあその程度である。ボックスセットの箱に傷が付いたり凹んだり、というのはあってそれも凄く悔しいのだがまあ、中身が大丈夫ならば良いだろう、というものである。

しかし私くらいの程度のプチ被災者でも、やってらんねえなあ、と思うのだがそれは皆同じであろう。だから生きるしかないのだな。なんかあの311から1ヶ月くらい経って、そろそろ色々目に耳に入ってきて色々考えていたのだが、まあそれは追々。Primal Screamの「Screamadelica」を聴いていた。これから20年経ってるとはなあ・・・。ということで20周年記念のリマスターを聴いている。Kevin Shieldsの認可を得たらしいリマスターなのだが、まあさほど劇的に変わった!という音ではなかったりする。それは置いておいて、当時も思ったのだが、今また聴いて改めて思ったことはとっ散らかったアルバムだなー、ということである。シングルで出ていた曲とかトリビュート盤に入っていたThe 13the Floor Elevatorsのカヴァーとかがどしんと鎮座ましましていて、そこにJimmy Millerの絡んだアメリカ色の濃いナンバーとか、やたらドリーミーな浮遊感漂う、そしてどこか可愛らしい感じの曲も入っていて、もうアルバムトータルで見て何が何だか、という感じである。しかしそのごちゃっとまとめあげた感じが実はこのアルバムの特徴であって、Primal Screamというとっ散らかったバンドを上手くパッケージしているような気がする。あと当時の時代の空気の後押しもとんでもないものがあったので、あの時代だからこその名作、と言うことができると思う。こういう様々な方向性が詰まったアルバムでも、どれもが間違いない向きを向いているように聴こえたものだ。つまり、91年以外には決して出来上がることのなかったアルバムなのである、とウザい勢いで断言。だから2011年にこのアルバムを聴く、ということは91年のUK音楽のムーヴメント、もしくは時代の空気を追体験する、ということなのである。

で。ここからが問題なのだが、今回のリマスター版はまず2枚組がある。本編プラス「Dixie Narco EP」というのがその内容で、このEPは「Screamadelica」のアメリカ〜バラッド志向を強めた楽曲とダンス路線を突き詰めたフィリーハウスとでも呼ぶべき曲が入っていて、実はその後の彼らの進む方向とそれまでを繋ぐ大事な一枚なので必聴なのは言うまでもない(←今日はなんか偉そうだ)。

で、問題はその2枚プラス「Screamadelica」期のシングルのミックス違いも含めて網羅した1枚と92年のライヴを収めた1枚が付いて計CD4枚、更にDVD、更に7インチサイズのアートワーク集、ブックレット、ターンテーブルのスリップマット、Tシャツ、アルバムのアナログ2枚が付いたとんでもないボックスセットがあるわけである・・・。大体当時からシングルも含めて全部買ってた人間にしてみればもう、ライヴディスクくらいしか目玉がないわけである。ったくふざけんなよ!誰が買うかよ!ってもんである。しかしライヴ盤が死ぬほど格好良いので何も言わない。とくに「I'm Losing More Than I'll Ever Have」のライヴヴァージョンなんて初めて聴いた。しかも打ちこみと生ドラム組み合わせて「Loaded」ともまた違うグルーヴを生み出していて大興奮、である。嗚呼、こうやってまたカモにされていく。

でも、思えば20年前から「Movin' On Up」に励まされて生きてきたような人間にとってみれば、この箱を所有しなければならない、のだ。これからも事あるごとに「Movin' On Up」聴きながら前に行くのだ。