October Boy

まずはAOBA NU NOISEにお越しの皆さま、足元が悪い中ありがとうございました!我々EVOLは疲労(+酒)のせいでぐだぐだで、且つ2人とも早々と撤収してしまって申し訳ありませんでしたが、The Jazz Butcher ConspiracyWaiting for the Love Busをかけたりしていたらしい、私。やはりどんな状況でもやることはやるんだな、と実感。来月もしっかりと頑張ります!

しかしこの節電ファシズムみたいなもんは何とかならないのだろうか。

それとEditions Megoがサブレーベルも含めて絶好調のリリースペース過ぎて何とかならないのだろうか。

そして何より、一息つく暇もなく過ぎて行く、この狂ったような進行の2011年も何とかならないのだろうか。

以上愚痴である。ただEditions Megoに関してはこの時代に於いて嬉しい悲鳴のようなものだから従うしかない(←単なる己の正当化)。

だからMick Harveyの「The Book Of The Dead」を聴く。元The Birthday Party、元Crime And The City Solution、元The Bad Seedsのマルチプレイヤーによるソロアルバムである。サントラとか除くと5枚目か。しかしThe Bad Seeds脱退後初の今作では大事件が起きており、遂に全曲オリジナル楽曲である。大体Serge Gainsbourgのカヴァー集2連発Intoxicated ManPink Elephants、とかいうことやって、それ以降もカヴァー中心の2枚Two of DiamondsOne Mans Treasureをやっていたのだからこの路線で行くのだろうなあ、と思いきや遂に何かふっ切ったのかな、と感慨深い(←なんか上から目線だな)。しかしこれがまた今までの路線を裏切らないハードボイルド、且つドラマティックな楽曲ばかりだからなんと一貫しているのか、とこれまたじーんと来る。実は彼はヴォーカリストとしても渋い声の持ち主であって、それこそNick CaveとかSimon BonnyとかRowland S. Howardとかみたいな下手なのか上手いのかよくわからないがとにかくクセのありまくるヴォーカリスト達とやっていたキャリアの持ち主が、実は渋い美声だった、というのがまた良い話である。しかし今作は上記Rowlandを始めとする、身近な人々の死にインスパイアされた作品のようで、当然ながら決して軽い作品ではないがちょっと一歩引いたような、そういう乾いた感じが凄く印象的である。アクースティックギターの音を始め、各楽器一音一音がしっかりと鳴っているようなプロダクションも凄く良い。だから結構聴きやすいしTownes Van ZandtとかLee Hazlewood的な空気もあるのだが、そういった先達の例にもれずに各曲に必ず泣きのポイントが隠されているから気を付けて聴いた方が良い、と思ったり。