Atmospheres Of A Beginning

私は血圧が高いのに、朝はどうもイマイチである。朝はちゃんとなんとか起きれるのだけれども、起きてからかなりの間人間としてなかなか機能しない、半分人間、な感じである。Halber MenschHalber Mensch (Dig)

でも朝食を食べれば人間になれる。しかし食べるまでは半分人間である。パンを焼きながらアイスコーヒーを出そうと冷蔵庫を開け、氷もカップに入れようと冷凍室を開ければ氷が何だか半分溶けかかった状態のままでまた固まったらしく、板状に近い状態になっている。だからその板状の氷を何とか分割しようと手を使ってひねるのだ。半分人間の状態で。

今回は上手いこと割れたのだが、その際、氷が私の手に当たってなかなか鈍い痛みを感じた。気にせずアイスコーヒーを注ぎ、飲み、パンを食べていたら、氷が当たった親指に血豆が出来ていた。

氷で血豆。

人生初の血豆体験であるが、しかも原因が氷、って。朝は何が起きても不思議ではない、という思いを新たにする一件である。

ちなみにその後血豆が潰れ、袖を通したばかりのシャツに汚れを付けてしまった。どうやら朝食を食べてもまだまだ私はHalber Menschのようである。果たしていつ人間になっているのか。それは神のみぞ知る、だ・・・。

あれ、血豆の衝撃を綴っていた筈が私という人間のダメさ加減開陳になってしまった・・・。まあ良い。The Magic I.D.の「I'm So Awake / Sleepless I Feel」を聴くのだ。Staubgoldからの作品である。セカンドアルバムなのですね。これは全く知らなかったのだが、高校の同級生から教えてもらって聴いている。あ、ちなみに高校の同級生と言ってもここでのお馴染み、歩くマイバックペイジズではなくて、同じように最高な友達がいるのである。で、話を戻すとツインクラリネットとアクースティックギター、ちょっとのエレクトロニクス、そして男女ヴォーカルからなる音楽であるが、これが凄く面白い。ここ最近聴いた中ではかなりのびっくりの音楽である。何でも元々は即興畑で活動していたメンバーが集まっているらしいのだが、意外に21世紀のブルーズ、とか言えそうな渋い、音数の少ない音楽である。しかし、右チャンネルと左チャンネルを効果的に使って印象的なデュエットを作り出していたり、メロディもインパクトの強い感じだったり、とミニマルな中で最大限工夫を凝らしているような感じがして、それがまた外れなく面白い効果を生み出しているのだった。そして何よりも良いのが、男女のヴォーカルで、どちらも非常に特徴的な声質なのである。冷たさと温かさが同居しているような、そういう感じなので物凄く一筋縄で行かない感じである。パッと聴いて思いだしたのはSlapp HappyCasa Blanca Moon / Desperate Straightsだったり、News From BabelNews from Babel Boxだったり、Art BearsArt Boxだったりしたのだが、まあそれはDagmar Krauseを彷彿させられた、ということなのだな。あと意外なところでMoriarty不思議の国のモリアーティを思い出したりもした。しっかし世の中、面白い音楽作ってる連中というのは今も昔もちょっと意識すれば一杯いるんだな、ということを改めて考えさせられた次第である。