Brain Ninja

「見いだされた樹」 2011年11月19日(土)@K.s GARAGE(K.s studio 2階)仙台市青葉区国分町1丁目47 tel 022-263-2360
open 18:30 start 19:00
出演 sekifu, yumbo, Que Sera Sera
前売り予約:2,000円 当日:2,500円
*ドリンク代はいただきません、お飲物はご自由にお持ち込みください。
*前売予約は「お名前、チケット枚数」を明記の上、下記のアドレス宛にメールをお送り下さい。確認次第こちらから予約完了メールを送らせていただきます。前売予約は定員になり次第、〆切らせていただきます。(定員40名)
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ensemble of rests
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多分「Sex Pistols以来の衝撃」、もしくは「私はロックンロールの未来を見た」的なライヴになると思いますので20年後のドキュメンタリー映画製作時に記録映像に残っていられるよう、皆さんいらした方が良いと思いま・・・、むにゃむにゃ・・・はっ、夢か・・・。あ、でも実際観に聴きにいらしてくださいませ。

そして今月の27日の日曜日にはいつものAOBA NU NOISEがmojaとOptrumというよく考えればとんでもないゲストを迎えながらもさりげなく爆裂開催予定です!今回こそは「最初は元気良いのに酒のせいで段々テンション落ちて行く」とか言われないように頑張ります。最後までテンション高く行きます。いや、DJはテンション一定で高いままなんですがね・・・。

そして来月、12月の2日金曜日には唐突に八乙女のLoopcafeで盟友tmym氏、そして最近知りあいになったLost WeekendのマツオさんとロックDJ、とやらをさせていただくことになりそうです!なんかいろんな人出るかも知れないのでカオスな感じになるのかなあ、真夜中に・・・。まあ、そうしたらやり逃げ感覚でわいわい友人と語らうために行きたいと思います。だから皆さまもいらしてくださいませ。

で、クリエイション・レコーズのドキュメンタリー映画「アップサイド・ダウン」を観に行ってきた。東京では随分前に上映されていたっぽいのでまだかなー、って楽しみにしていたのだがやっとこさ我が街でも上映されることになったのだ。しかし朝9時半、もしくは夜8時20分から、というなんとも惨たらしい時間でしか上映されないので休みの日に早起きして観る羽目になったのだった(まあ、いつもの仕事の時間に目が覚めて、結局選挙に投票してから行くことができたのではあるけれども)。

しかし、映画を観てから食べた駅近くのラーメン屋の味玉ラーメンとチャーシュー丼が大層美味しかったのでその感想を書こうか、という気持ちにまずなってしまったのは何故だろうか。それは多分私の興味がもうロックンロールよりも食べ物の方にあるからだ、というまとめになれば実に我が年齢に相応しいクールな感じなのだろうけれども、全然そうじゃなくて多分あまりにもうわーっと往年の感情の濁流or奔流に呑み込まれてしまったからまとめきれないんじゃないか、という危機感のせいだと思う。でも何とか色々、望まれていないだろうけれども書いてみようと思う。今回の当「日々の散歩の折りに」はかなりめんどくさいと思うのですが、申し訳ありません、よろしくお付き合いください。

クリエイションレコーズの始めから終わりまでを関係者等の証言で構成したドキュメンタリー映画である。大体の話は『クリエイション・レコーズ物語』で読んで知っていたから新鮮味はなかったのだけれども、それでも映像と音で構成されるとなかなかどうして、かなりグッと来るものがあった。ネタバレも何もあったもんじゃないと思うのだけれども、インディ、という言葉が繰り返し出て来ていて、90年代初頭の時点で既にかなり存在意義が希薄になっていた、インディレーベル、というものに2000年代に入るまで拘り続けたレーベルだったんだなあ、としみじみ感動させられた。だからこそ終焉は、もうほぼソニーの一部分になっていたものの結構がっかりしたものだなあ、と記憶が蘇ったりした。でも日本のソニーは頑張っていてIdhaとかPrimal Screamとかレア曲もしっかり入った独自企画作出したり、各地でヴィデオコンサート開いたりしてたよなあ、と思うのでこの映画を観て、まったく、ソニーのせいでクリエイションもなくなっちまって、とか言ってソニーディスるのは止めた方が良いと思う。そんな人いないと思うのだけれども。

映画的には結構目まぐるしく映像が切り替わるので、良くも悪くも起伏に富んでいて、それはまるでこのレーベルの起伏にマッチングしているもののように思えた。そして無理に全てを追うのではなく、大筋で捉えてこのレーベルを浮かび上がらせる、という手法なのでよくまとまっていて飽きない。もしこのレーベルにさほど思い入れがなくても、ロックンロールが好きだったらば楽しめると思うので是非観る機会があったら(あえて我が地元ノリの上から目線で)観た方が良いと思う。もしかしたら若い人が観たらもっと衝撃を受けて何か始めるきっかけになるかも、とか思ったりもしたがもう若くない私の意見だし、別にもうロックンロールってフェスとかダウンロードとかインターネットとかのお陰で(←全然悪いとは私は言っていない)、全然謎めいたものでも一食抜いても何とかして聴きたいとかそういう風な存在ではないかも知れないから前言撤回したい。

しかしAlan McGeeがクスリのためにマンチェスターに移住したエピソードは当時のクリエイションの「Keeping The Faith」Keeping the Faithというダンスものコンピで盛り上がった身としては、かなり本気だったのだなー、と思い知らされたし、Heidi BerryがPete Astorの元カノ、というのにはびっくりしたし、The Wedding PresentのDavid GedgeがThe Boo RadleysのMartin Karrを絶賛しているのにもびっくり、とか元Frazier Chorus、元Scubaの現Alan McGee夫人登場で興奮、とか色々感想はあるのだけれども様々な方々の往年のルックスしか記憶にない私にとって結構衝撃映像が連発だったので、そこら辺の動揺も大きかったりする。そしてThe Loftのメンバーが結局全員今の姿で出ている、というのには興奮した。興奮ついでに口パクではあったがThe Loftの演奏シーンが出て来て震えた。Josef Kといい、なんでこういうギターバンドはカチッとスーツ、とまではいかないけれど良い感じのパンツにシャツ、場合によってはネクタイ、という服装が似合うのだろうか。

結局感想も何もまとまらなかった・・・。でも、そんなまとまらなさがクリエイションの本質だよね、という逃げ口上でしかないことを言って映画の話は終わりにしたい。ここからはもっとめんどくさい、「私とクリエイション・レコーズ」というテーマになっていく。今日映画を観るために電車に乗っていて、果たして私が初めて買ったクリエイションのレコードは何だろう、と考えていた。で、結局それはFeltの「Forever Breathes The Lonely Word」Forever Breathes the Lonely Wordと「Poem Of The River」Poem of the Riverの2 in 1CDだ、と思い当たったのであった。もっともそれはドイツ編集で厳密にはドイツのラフトレ盤であったのだが。そこで厳密にクリエイションのレコード、と考えてみたらそれでもやっぱりFeltの「The Pictroial Jackson Review」Pictorial Jackson Reviewだ、という結論になった。88年のことである。88年と言えばビクターからクリエイションの日本盤発売がスタートした年でもあって、私のような中学生でもその名前を意識したりしたものである。でも相当日本盤化にはタイムラグがあって、Biff Bang Powの「Oblivion」が日本盤化されたその頃に既に輸入盤では次のアルバム「Love Is Forever」が店頭に並んでいたりしたし、Momusの「Tender Pervert」も、「Poison Boyfriend」が日本盤化された数ヵ月後に店頭にあったけど、日本盤には結局当時はならなかった。だからそんなに情報もなかった頃の中学生だった私は結構混乱してなんだなんだ、となったものだった。クリエイションだから、とか言ってレーベル買いすることには80年代の間にはなっていなかったように思う。88年の暮れにかけてThe House Of Loveも(今回の映画で皆The House Of Loveを再認識してくれたら嬉しいなあ、とか勝手に思い上がったり)My Bloody Valentineも買ってみたらクリエイションだった、という事実からじわじわその傾向は見えてくるのだけれども。

でも90年代に入ってからは明らかに違った。ビクターからコロンビアに日本盤リリース元が変わったこともあって結構良いペースで、しかも盛り上げつつ(当時コロンビアは4ADもOne Little Indianも出してたし)ガンガン出してくれるおかげでなんとなくリアルタイムでついていけている感じだった。加えて海のものとも山のものとも知れぬバンドのクリエイションからのシングルが輸入盤で店頭を賑わしていたから90年代の最初の頃はクリエイションにやられっぱなしであった。RideもSlowdiveSwervedriverもMoonshakeもAdorableもクリエイションだから聴いてみよう、という感じだったし、The TelescopesもThe Boo RadleysもVelvet CrushもSilverfishもクリエイションに移籍してきたから聴いてみよう、という感じであった。しかも聴いてみよう、って聴いたものでハズレが見事に皆無であったし。だから私の高校時代はクリエイションと(あとシューゲイザーとインディ・ダンスと)共にあったと言っても本当に過言ではないのだった。

でも、Oasisが出てくる前の年辺りからちょっとなぁ・・・、ってなった。Hollyfaithとかクリエイションだから、って聴いたら大やけどしたし、Oasisが出て来てからはなんかマジックがなくなってしまったかの如く私にはピンとこないものが増えてきた。決して話題にはならないかも知れないけれども凄く良い作品、というのが昔はあった筈なのになんだか本当にがっかりだなーってのが増えて来ていたように感じていたのだった。それは多分個人的なものだろう、と思っていたのだけれども今回の映画を観ていたら、もしかしたらレーベルの勢いってのが影響もしていたのかしら、とか思えたのだった。で、やっぱ昔からクリエイションにいる方々が良いのだな、あ、Primal Screamも新譜出るんだな、って言ってたらレーベルが終わってしまったのだった。

あ、ぐだぐだ書いてすみません。ところで91年はTFC「Bandwagonesque」とMBV「Loveless」とPrimal Scream「Screamadelica」が間髪入れずに出た奇跡の年、っていうかピークの年、って映画でも盛り上がってたし世の中的にも盛り上がってるみたいだが、Swervedriverの「Raise」RaiseSlowdiveの「Just For A Day」Just for a Dayが出た年でもあるから凄い年だったのだ、と私は勝手に盛り上がって行きたい。20年前の話なんですけども。

で、そんなにクリエイション・レコーズに熱狂したのにThe Stepkidsのファーストを聴いている。Stones Throwからのデビュー盤である。最近のStones Throwはヒップホップのみならず色々あって面白いなあ。で、このThe StepkidsはAlicia Keysとかのバックでも活躍していたスタジオミュージシャンなども含む3人組のユニットである。どことなくレトロっぽい感じが全体を覆うのだが、決して懐古的なことはなく、全体の絶妙な音質とかストリングス(どうやら1人が演奏しているのを多重録音しているらしい)のゴージャスさとか、メロディが凄く凝っていてそれでいてキャッチーであるところとか、そういうところが影響しているのだろう。加えてどことなくRotary Connectionを彷彿させる重厚なコーラスとか、古き良きソウル風の展開があったりするところとか。それでいてサイケデリックな空気感があったり、ヴォーカルを3人が交互に取っていたりしてヴァラエティ豊かなはずなのに不思議と緩い統一感があったりして、結構中毒的な魅力がある。正面切って新しいですよ、という感じではなく凄くしっくりくる、懐かしささえ感じさせるような音(質の影響も)なのに実は凄く当世風、というスタンスも面白くて今年一番のニューカマーなのではないかと思う。なんかスケールが違うんだなあ。