Dirty Rain

まずは土曜日の八乙女Loopcafeでのロックイヴェント、というかパーティ、とても楽しかった!なんかこう椅子に座って音楽聴いてわいわいやって、というのは会場のお陰もあってホームパーティのごときまったり感でした。またやりたいなー。というか自分はどこの場所でDJ的なことをしていても、結局こういう世界を何らかのスケールで展開したいと思ってやってきてたのかな、とか思いました。

告知も一段落したわけだが、今月のクリスマスの日(25日)には今年最後のAOBA NU NOISEがありますので、まあ今更バブル期でもなんでもないからクリスマス皆普通でしょ、ということでご来場お待ちしてます。あ、クリスマスイヴはまだバブル期のような勢い、なんですか・・・。とんと華やかな世界とはご無沙汰で・・・。

ところで昔から私は不器用なので、「〜しながら○○する」ってのが苦手である。つまり同時に2つ以上のことを行う、というのが苦手なのである。たとえば料理本を読んで作ろうとする時だって、何か材料切りながらフライパンに油引いてニンニクを炒めつつ同時に何か茹でて、とか普通の行程として書いているけれども、いやー読んだだけでパニックである。実際落ち着いてやればできるのかも知れないけれども、かなりの度胸と気合が必要なので緊張する。

学生の頃は音楽聴きながら勉強、とか絶対できなかった。だから受験生当時、お休みの日の午前中に買ってきたレコードはそのままお預けで、勉強してその後休憩の時にうおーと集中して鬼聴き、みたいな感じであった。MomusDon't Stop the NightとかIan McCullochキャンドルランドとかのレコードだったりするのだが。だって勉強してることと音楽両方、そりゃあ耳からと目から、という取り込み方は違う場所からだけれども1つの頭の中に同時に吸収なんて無理だろう、と思っていたし今も無理である。

最近できている同時進行のことと言えば車を運転しながら音楽を聴く、ということくらいなのだけれどもそれとて結構実は際どかったりもする実は。それに加えて煙草吸いながら、とかだと昔の私からは考えられないほどマルチな人間になったものだなあ、と感動するのである、フツーに皆やっていることだけれども。

たまに家に超忌々しいことに仕事を持ち帰らねばならない痛恨の事態などが発生したりするときなどは、音楽聴きながらPC上で作業してることが多いものだけれど、大体音楽の方ばっかり聴いてしまう、というかそっちメインだからなあ。でも大体そんな程度のテンションで家に持ち帰った仕事なんてやらないと精神衛生上よろしくないと思うから良いのだと思う。

だからさっきもPC上で仕事してたけど結局はRyan Adamsの「Ashes & Fire」を聴きこんでしまった。で、アルバム終わってから仕事やっつける、みたいな。The Cardinalsとの作品も良かったのだが、何だかその活動に限界を感じてしまった、とか音楽業界に嫌気が差した、とか結婚して落ち着いたから、とかちょっと体調が悪かった、とか様々な情報があるけれども兎に角多作家の彼にしては珍しいほどブランクの空いた久々のオリジナルアルバムである。一時期は本当にこいつはおかしいんじゃないか、って勢いでアルバムがどかどかどかどか出ていたものだったなあ。今作はGlyn Johnsのプロデュース、ということで何となく渋いんだろうな、と思ったらその通りで実に渋いアルバムだった。しかしその渋さの中にも瑞々しさが大いに感じられるわけで、そこら辺はおそらく曲が実にじっくりと練られた粒ぞろいの(且つ泣き強めの)曲ばかり、ということも大きいと思われる。ストリングスが入ったりする曲もあるけれども基本的には実にシンプルな作りでゆったりとした曲が多い。でもとくに今作ではBenmont TenchとかNorah Jonesとかが弾いてる鍵盤が印象的である。ピアノとハモンドの組み合わせとかが凄く、シンプルな編成に広がりを与えていて良いのだな。そしてRyan氏のヴォーカルは、そうそう何気に美声なんだよな、と気づかせるさり気ない良さと優しく、というと何か意外かも知れないが落ち着いた歌声を聴かせていて張り上げたりはしていない。オルタナカントリーとかそういう呼称は結局わけわからないままなのだが、そういうもの関係なく現代の素晴らしいSSWの復活が大いに嬉しい一枚。でも、凄く良いアルバムだし大好きなんだけれど、また豪快にドライヴするアルバムも作ってもらいたいものだなあ、The Cardinalsとの前作Cardinologyみたいな。