Mother

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今年もTシャツまだまだよろしくです!

 

お正月のお餅の残りはなかなかテンションが上がらないもの、である。我が家は家族の構成人数も少ないし、お正月らしく過ごすような日も結局元旦しかないのでお餅を食べる機会が少ないわけだが、それ故にお餅を買ってくると結構お正月過ぎてもまだある、ということが多い。何かお雑煮にしてもいつも同じ感じになってしまうし、醤油の海苔巻き餅にしても、まあこうだよね、という感じになってしまって、あまり心躍る瞬間が訪れないままに、惰性でお餅の残りを食べることになることがここまで多かった(ところで今「こころおどる」と打って変換したら一発目で「ココロオドル」ってカタカナで出てきて、あれこれ何だっけ、と調べてみたらnobodyknows+の曲名だった。なんでそんな下らねえのが一発目で出るんだよ!!)。

 

要はお餅に対して努力が足りない、ということは私は薄々感づいていたので、今年は残ったお餅をちゃんと袋に書いてある焼き方通り、オーブントースターで焼きあがってから扉を開けずにそのまま2分間待ってみた。そしていつも「醤油+海苔」だったものを「醤油+バター+海苔」にして新たな風を送ってみた。

 

そうしたら、なるほどこれは毎年喉に詰まらせて搬送されるわ、と納得できるほど中までもっちもちの弾力があり、且つ味付けもバターのせいで悪魔的に奥行きが出て、凄く美味しかったので今年は全くお餅を持て余さずに過ごせた。というかもっと食べたいくらい、だ。

 

なんか今「おうち時間」とか「ステイホーム時間」とかメディアで言われると、何か充実した家での時間を過ごさねばならない、と強迫観念に囚われそうになってしまうのだが、ほんのちょっとした見直しだけでそんなの楽々クリアだな、という学びを得た事態であった、ってお餅だけど。そして結局全然仕事柄おうち時間とやらも増えないし、ステイホームしたい人生だった、という感じなのだけど。

 

羊文学の「Powers」は昨年末に聴いて大いに感銘を受けたアルバムであった。

メジャーレーベルに移籍しての第一弾、ということである。蛇足ながらこの間Homecomingsもメジャー移籍、というニュースを知って、あ、Felicityってメジャーじゃないんだ・・・、と知った次第である。前のアルバム

若者たちへ

若者たちへ

  • アーティスト:羊文学
  • 発売日: 2018/07/25
  • メディア: CD
 

も大変に良かったのだけれども、今作はその比ではないほどに曲が研ぎ澄まされているし、とてもキャッチーな曲が多い。歌詞も前向き、とは言い切れないかも知れないけれども力強い(まさにpowers)し「あいまいでいいよ」とか、そういうねじ曲がったようなラヴソングだってすごく痛々しいくらいに刺さる。でも、本当はこのアルバムの一番燃えるポイントは、ギターとドラムとベースと声だけでちゃんと完成形になっていて、それ以上もそれ以下もいらない完璧なバンドサウンドのアルバムになっていることである。ギターもベースもそしてドラムまでもが歌っているような感じで、そこに本物の歌が乗っかっているので凄く重層的な音になっていてそれ故になんか胸を締め付けられる瞬間が多々訪れる。ちなみにモエカさんのヴォーカルのメロディとか、ちょっとなんでこんな風に彼女は歌うこと思いつくのかな、と舌を巻く。2019年の「1999」という限定ミニアルバム

1999/人間だった

1999/人間だった

  • アーティスト:羊文学
  • 発売日: 2019/12/04
  • メディア: CD
 

が名曲だらけで凄く好きだったのだけれども、そのままの勢いでフルアルバムになってしまった、みたいな感じである。やっぱり色々好きだけれどもバンドがバンドの音を出している、というのが凄く大事だなあ、と思うのだった。そしてそれをちゃんとした作りの音でリリースされるのが良いと思うのだ、と思いながらクレジットを見たらやはり吉田仁が引き続き手掛けていて、いや、間違いないな・・・。あ、Salon Musicの新しいアルバムも、まだまだ待ってます・・・。