When I Die

昨夜のAOBA NU NOISEにお越しの皆様、どうもありがとうございました。昨日も面白かったなあ・・・。しかし週末は激務〜暴飲暴食〜大暴れ、と何か一気に寿命が縮まりそうな勢いの日々だったので、今週は大人しく過ごしたいものである。

さて、ご無沙汰感溢れる更新であるが、たまにはレコードの話をしよう。昔は一時期狂ったように中古盤を掘って掘って漁って漁って、な日々を送っていた私であるが、最近はそんなに中古盤にかける情熱がないことに気づく。物理的に時間がないせいもあるのだが、まあたまに中古盤屋に行って、たまたまこれは、というのがあれば悩んで悩んで、結局買わず、なんてことが頻発である。

まあ「本当に俺にこれは必要か」という自問自答は昔から繰り返していたつもりなのだけれども、最近その自問自答が熾烈さを増していて結局その問いかけに自分で答えられずに店を後にする、ということなのであろう。さらに、以前よりも探しているものが少なくなって、それでもってしかもそうそうさっくり見つかるようなものを探しているのでもない、という事態になっていることも多いからであろう。

そんな最近だからこそ、「これは!」という見つけものがこの1ヶ月で2回もあったので喜びもひとしおである。それもDepeche Modeの「People Are People」Adrian Sherwoodリミックス12インチ500円とか、Phil Collins「You Can't Hurry Love」12インチ600円とかなので、まあこういうのはね、世間的にはどうだか知らないけれども、私にとっては・・・、みたいないつもの言い訳めいた自己弁護を繰り返すしかないのである。しかし年々、流行とか周囲の状況とかが関係なくなってきているのはどうなのだろうか、とか思いつつ逆にそれで良いんじゃあ、と開き直る自分がいたりするからなかなか厄介である。

まあ、今に始まった話でもないのだけれどもね。矢野顕子の「akiko」を聴く。T Bone Burnettプロデュースの新作である。私、矢野顕子はベスト盤を持ってる、程度の好き加減なのであまり大きな口は叩けないのだけれども、この新作は凄く良い。ギターとドラムスとピアノと、でベースはなし(ジャケには写ってるのにな)とかいう実にシンプルな編成で実に骨太に、粘っこく全てが進行していく。なんかド迫力でぐいぐいと進んでいくのである。Marc Ribotのギターが時折大暴れし、そして全体を通してドラムスの乾いた、しかしどっしりとした音が印象的である。そこに軽やかに顕子さんの声が絡んでいくのである。だから、凄くバランスが取れていて、全然もたれることはない。こんなによく聴くとシンプルながら重厚なアルバムにも関わらず、である。The DoorsとかLed Zeppelinのカヴァー、というのも凄く新鮮である。でも、歌詞がですね、英詞であれ、日本語詞であれ、兎に角言葉が研ぎ澄まされていて戦慄を覚えるほどの鋭さである。一種の悟りみたいなものも感じられたりして、何か射抜かれるような気がするのである。やはり、今更ながら、すげえ人なんだなあ、ということを認識させられまくる1枚。