Iamundernodisguise

何か楽しい予定とかはなるべく早くに知っておいた方が良い。その方が日々の下らぬ雑事も「あ、あれがあるから楽しみにして乗り切ろう」とかいう実にポジティヴな気分で乗り切れるからである。

例えば強烈に楽しそうな予定が急に決まったりすると、勿論それはそれは楽しみであることに変わりはないのだけれども、その予定を上記のように自分の中で糧にできる期間が短すぎるから、何だか「勿体無い」という気持ちになってしまうのである。だからみんな、楽しい予定はなるべく早め早めで立てた方が良い。

って何かこういう小さな喜びを大々的に言うようになるってことは、疲れてるのかな自分。School Of Seven Bellsの「Alpinisms」を聴こうではないか。元Secret MachinesとOn! Air! Library!の双子姉妹の3人が核になって結成されたグループである。と偉そうに書いているが、両者とも私は聴いたことがなかったりする。こないだのPrefuse 73のシングルThe Class of 73 Bells [12 inch Analog]にフィーチャーされていたことでかなり話題になったように記憶しているがここに来て待望のファーストアルバムである。これの前にTable Of Elements傘下のRadiumからミニアルバムFace to Face on High Places [12 inch Analog]出していて、それが良かったので今作も大変楽しみであった。で、このアルバムであるが、これが意外に整理された音楽性でこれはこれでとても素晴らしい。まあ考えてみれば上記のミニアルバムは3曲しか入ってなかったわけで全貌をつかめるはずもなかったわけである。それでも何だか不思議な音世界はしっかりとあったのだけれども。で、今作では曲の輪郭がはっきりして、更には双子姉妹のハーモニーも実に上手く生かされていて凄くポップで聴きやすいアルバムである。何だか全然そういう印象はなかったのだけれども、My Bloody Valentineの「Loveless」の不気味な化け物具合がない感じ、という形容が似つかわしいような、そういう作品である。何か打ち込みのドラムが結構輪郭作りに一役買っている感じで、Prefuse 73の上記の曲のセルフカヴァー(?)があったり、エレポップ的ナンバーがあったり、若干音のレイヤーが厚めのサイケデリックな曲だったり、と意外にヴァラエティに富んだ曲調が並ぶけれども不思議にドロリとした感じは薄く、とても聴きやすいモダンなポップスに仕上がっている。でも、それでも何かこれからやらかしてくれそうなそういう表情が見え隠れするところが凄く頼もしい。ってか普通に胸に迫るメロディの曲連発なのが一番頼もしいところだったりするのだけれども。