The Devil

新年早々、久々に寝込んだりしたのだった。

私の場合寝込むって非常に珍しい。酒のせいで寝込むことはよくある(それもどうかと思うのだが)のだけれども、悪寒だ胃腸の重さだ、とか言って寝込んだり、ということなんて実に久しぶりのことのような気がする。幼稚園小学校時代は何だか身体が弱くて数日寝込むなんて日常茶飯事だったのだけれども、その後はその反動か何だか知らないのだが、10年以上前に高熱出して2,3日寝込んだ記憶以降、あまり風邪系で寝込む、というのはなかったように思う。

ということで大汗かいて、しかも13時間以上寝て目覚めた今日は寝たり起きたりで、挙句の果てには食欲もずーっとなく、ついさっきやっと食欲が復活したくらいで1日潰してしまった。

しかし思う。何故仕事の日ではなく、休みの日にこういう事態に陥るのか、と。意味がないではないか。実に何か無駄なことをしてしまったようで悔やまれる。仕事がある時だったら何かこう、意義がある気がしないでもないのだが、休みの日に体調が悪いと、本当にこの怒りにも似た遣る瀬無さをどこにぶつけたら良いかわからなくなってくる。

ということで今日はぼんやりと気力がある時には音楽を聴いていたのだが、PJ Harveyの「White Chalk」はそんな時ぴったりの作品である。私はあまり彼女の作品を追いかけたり、とかそういう感じではないのだが(少なくとも98年以降)、この作品は凄くしっくりと来たのである。なんでもギターで作らずに、彼女があまり弾けないピアノで即興を繰り返してそれを練って練って、という感じで作った曲ばかりらしく確かに彼女の弾くピアノの音色が大フィーチャーされている。ギターはアクースティックギターが申し訳程度に入っているくらいだったり。ということで何だか異色の作品なのかも知れないが、異色と言えば彼女のヴォーカルで、ここではほぼ全曲ファルセットで歌っていて、一聴した感じでは彼女の声だとわからないくらいだったりする。ということで実にメランコリックでゆったりとしたアルバムなのであるが、しっかりとDirthy ThreeのJim WhiteやJohn Parrish、Eric Drew Feldmanなどがバックを固めていて、そういう「いつもと違うね」という点だけが聴き所の作品には終わっていないところがまた良い。何かちょっと具合悪い今日とか聴くと、不思議なことにスッとする、そういう優しく清々しいアルバムである。