The Pow Wow

The StoogesのRon Ashetonが亡くなってしまった・・・。

私は少なくとも1ヵ月に一度は必ずThe Stoogesを聴くような人間なのだが、その名曲の数々を頭の中で鳴らしてみると、かならず真っ先に鳴り響くのは彼のギターのリフであった。そして解散後のDestroy All Monstersに於ける、まあThe Stoogesの延長線上なのだけれどもイカしたロックンロールの数々。思い出すだけで興奮させられるものであるが、そのギターの彼が亡くなってしまったのであった。

人が亡くなるのは悲しいし、ましてや大好きなミュージシャンだったらもっと悲しく、切ない。でも、更に、更に切ないのはとくにThe StoogesはこないだのアルバムThe Weirdnessがまさに「次に期待だなー」というような作品だった故に、次の作品、つまり多分名作になっていたであろう次の作品が聴けないのは本当に切ない。

まったく、年明け早々にこんな気分になるとは・・・。ご冥福をお祈りいたします。

で、多分今日The Stooges聴いたりDestroy All Monsters聴いたりしたら辛いので(という消極的な理由だけでもないのだけれども)The Rootsの「Rising Down」を聴いて楽しむことにする。これも昨年沢山聴いたアルバムの1枚だったりする。思えばバンド編成のヒップホップグループがTalkin' Loudからデビュー、とかいう触れ込みだったなあ、と今更思い出したがDef Jamに移籍しての第2弾の今作は一言で言えば実に硬派である。いや、今までも勿論ビシッとした感じではあったのだが、いつもホッとさせられるような女性ヴォーカルをフィーチャーしたソウルフルなナンバーが今回は影を潜めていて、緻密な組み立てによるがっしりとしたビートに乗せてMos DefやらCommonやらTalib KweliやらMalik B.やらがラップする、といった感じでかなりストイックである。とは言え、しっかり生楽器と打ち込みとのバランスも良く、一辺倒な感じは全くしないからついつい聴きこんでしまうのだった。相変わらずアルバムのトータルとしての組み立て方は見事だし、何よりも耳に残るフレーズがしっかりと各曲で聞こえてくるわけであるから、愛聴盤になるのも無理はないというものである。パッとしたような派手さはないものの、それだけ長く聴ける魅力に溢れていたりするのである。と言うかまあ、素直にカッコイイんだよなあ、と全てを放棄した感想を述べたくなるような、そういうアルバム。