Spoonin Rap

今日は寒いですなあ、と世界に向けて発信してみたところで皆が皆この私が住まう街に住んでいるわけではないから共感なぞは得られないのは百も承知である。

しかし、こう寒いと室内にいて籠もりがちになる。こいつはいかん、「歩く」という抱負をブチ上げたばかりではないか、と寒空の下街中をそぞろ歩いたのであるが、足の裏がめちゃくちゃ痛くなって攣る一歩手前になったり、となかなか難儀した。

この足の裏の痛みってのは疲労が蓄積されるとよく感じられるものなのであるが、まさに「歩く」ということに意識的になった矢先になるとは実に前途多難である。ということは他の抱負も同じように脅威に晒されているということなのだろうか・・・。

いや、酔っ払わない、という抱負は大丈夫なはずだ、何せ今日もワインを飲んだ後なのにこうしてきちんと書いているではないか。否、「きちんと」かどうかは大いに疑問が残るところであるが・・・。

ところで年末から何だかディスコっぽい音楽が聴きたくてしょうがなかったりする。あとヒップホップ。それにプラスして正月の体調不良でフォーク、そして1月は4ADレーベルの月、年の初めだからということでレコード屋さんで初の買い物をしたらノイズばっか、ということで今私の頭の中のプレイリストがかなりケイオティックな状況になっていることは容易に想像がつくであろう。そんな中、我が家の近所のツタヤで1年以上前から「30%off」ステッカーが貼られて投げ出されていたCDが今日遂に「50%off」ステッカーに切り替わっていたのでこれは回収せねば、こんなに待ったのだから、ということで「Big Apple Rappin'」を買ってきた。まず大体にして何故これが我が家の近所に転がっていたのか、まったくもって謎なのであるが・・・。これは2006年にSoul Jazzよりリリースされた、1979年から1982年辺りのNY初期ヒップホップのレアトラックを集めたコンピである。レアなのかどうなのか、さっぱりヒップホップに明るくない私にはわからなかったりするのだが、そんなことはどうでもよく、この2枚に渡って収められた、ほぼ生演奏をバックに延々リズミカルに喋っているような感じのラップのオンパレードなトラック群は年末から続く私の上記のような欲求を完璧に満たしてくれるので、これはタイミング的にも50%オフになったのは運命的である。そう、ディスコのりだったり、レゲーのりだったりの生演奏が実にこちらの身体を気持ちよく揺らしてくれるし、それに乗っかるラップも変に攻撃的ではなく、実にリズミカルにライムする感じで、新しい音楽スタイルを発見した、という感じのポジティヴなノリで溢れている。そう、何だかこう聴いていてちょっとどこかくすぐられる感じというか、変にほんわかとした気分になってしまったりするのである。多分ヒップホップ史的にもとても大事なトラックばかり入っているのだろうけれども、そういう意義よりも、聴いていて楽しくなれる、という実に単純なことが何か今の私には凄く重要な気がする。ということで今の私にとっての完璧なサウンドトラック。