Psychiatric Review

私は季節に関係なく、つまり花粉症の季節だとか風邪をひいたとか全く関係なく、年がら年中鼻をかんでいるのである。

まあ、いわゆるアレルギー性鼻炎という奴のせいなのだが、まあ、これも我が宿命として甘んじて受け入れなければならない。ということで、別に鼻をかむことには全く頓着しない私であるが、さすがにかみすぎなのかどうなのか、鼻が赤くなっているのには非常に難儀している。

否、鼻をかんで赤くなるのは、寒い戸外に出て鼻が赤くなるのと同じようなものだから別にすぐに消えるものとして放置しておくことができるのだが、どうやら何らかの影響で鼻腔の内部で炎症が起きてしまって、それ故に鼻の表面が赤くなっている、というか赤く腫れているものだから非常に厄介なのだ。お陰で両方の鼻の穴の形がアシンメトリーになってしまったくらいにして。

触るだけでもいててて、という状況は過ぎたのでそこら辺は問題なし、であるが大問題はその赤い鼻である。パッと見、赤いねー、とすぐにわかってしまうくらいだから、何だか恥ずかしい、というか思春期のニキビが出まくっている少年のようである。もうそんな年でもないのに。

でも、ニキビ少年のニキビ鼻は何か生々しい赤黒さを帯びているものだが、さすがに亀の甲より年の功(?)、齢34の私の鼻はカラリと赤い。嗚呼、1ヵ月くらい早くにこの鼻になっていたらサンタクロースと共にプレゼントを良き子供たちに配ったりとか需要があったのに、とか言ったりしてないとやってらんねー。

Monte Cazazzaの「The Worst Of Monte Cazazza」を聴く。アメリカ出身のアーティストである彼の音楽活動をまとめたコンピである。多分今、頑張って何とか手に入るのってこれくらいなのだろうか。後は中古をマメに探すしかないのか。何かどぎついインスタレーション活動(何か血生臭い系、というか)で名を馳せた彼がイギリスに渡り、Industrialレーベルからリリースし始めた70年代末期〜80年代初頭辺りから、後期のずっとずっと整理されたコールドファンク状態の辺り、更には未発表音源も入っていて彼の音楽活動を俯瞰できる1枚になっている。しかしやはり何と言っても初期のThrobbing Gristle全面バックアップで制作された2枚のシングルの格好良さが強烈である。あ、格好良さ、と言ったがそれはTGの曖昧模糊とした側面と言うか音響的な面白さを格好良い、と言うならばの格好良さである。中にはTGのCosey嬢ヴォーカルを取る曲もあったり、何か色々禍々しいアイディアをぐちゃっと放り込んだ混沌とした感じが面白いのだ。ノイズの文脈で紹介されることの多い彼なのだが、強烈にオブスキュアである、という形容の方がしっくり来るかも知れない。そしてこのアルバムはその後、Sordide Sentimentaleからリリースされ(!)、OptimoのミックスCDにも収録された(!!)楽曲等を経て、結成されたバンド編成による楽曲も含まれているのだが、そのバンド編成の楽曲は、まあニューウェーヴファンク、とでも形容できそうな、ああいう感じだったりするのだが、いかんせんアイディアの放り込みとはほど遠く整理されまくった音像になっている。それはそれで良いし、聴いていて面白いのだが、やはり初期の禍々しくもアイディアが詰め込まれた音が真骨頂なのであろう。でもそこら辺を聴くためだけでも家にあって損はしない1枚である。