Prepare Your Coffin

今日は休みだったので久々に朝は惰眠を貪ったりしたのだが、その際には夢の中で小島麻由美「セシルカットブルース」さよならセシルが流れていたのだった・・・。

前のエントリではOtis、そして今度は小島麻由美。夢内曲占い、とか誰かやらぬものか。やったら多分当たる。新たなビジネスチャンスの提示をしてますよー!IT企業の若い社長ばりに胡散臭い感じですよー!

まあ、それはそれとして件の「セシルカット〜」は名曲であるが、何故今、突然。しかも夢の中で流れている件の曲に関して「今までドラムスとベースの絡みばっか耳が行っていたが、ギターが渋いなあ。塚本功かあ。」とか思ったりしていたのだった。夢の中で流れている曲に対して夢の中で新たな感動を覚える男。もうこれは私は夢の中で別の生活があるに違いない。それをたまたま垣間見るキッカケになるのが夢内音楽なのである。果たして夢の中の私はどのような人間なのか。上記「セシルカット〜」に関する感想を思い起こしてみるとさほどこちら側の私とは大差ないように思えるものであるが。

でもどうしよう。夢界に於ける私はこちら側の私よりももっとイケてる人生を歩んでいたりしたら。そしてもしかしたら夢界とか勝手に呼んでいるが、そっちの方が実はメインのワールドであって、こちらの、現実と私が思い込まされている方のワールドは実はそれに従属しているものだとしたら。本当はこれが全てではないのだとしたら。

多分あちらのワールドではバーゲンに行っても良い感じのポロシャツを発見できたり、ココイチの夏野菜チキンカレーを食べたらグダグダな味だったなんてこともなく、Luc Ferrariの10枚組みボックスいつまでたっても売り切れのままでなく、虫に刺されて手がドラえもん、とかそういうこともないのだろう。嗚呼夢(とこちら側の人間が勝手に思っているもの)ワールドの方にこちらの世界を吸収してもらいたい!

って大丈夫か自分。Tortoiseの「Beacons Of Ancestorship」を聴く。Bonnie 'Prince' Billyとの共演はあったものの随分久々な新作である。で、これがまた、初めてのTortoiseとの出会い以来の衝撃を与えてくれる作品だったので実に感動である。実は前作とかその前とか、悪くはないし、凄く良いのだけれども何だかもう一声じゃね?と勝手に感じ、そしてもう新しい衝撃をこちらに提示はしないのかな、とかそういうことを生意気に思っていたのだが、やはり格が違ったのだった、彼等は。今回は今までのトレードマークで、良くも悪くも全てを仕切ってしまいがちだったヴィブラフォンの音色は全く聴こえない。そして上手い具合にまとまった感じを成していたつるりとした音でもなく、あるのは常軌を逸した音色で飛び出すアナログシンセの音に、ダンスホールばりのビートをたたき出す打ち込み、最早Bad Brainsかと思わんばかりのハードコア逆ギレ(?)パンクナンバー、という何だかあんぐりと口を開けて聴かざるを得ない展開の数々なのである。勿論整合性の高い高度なアンサンブルもあるのだが、非常に今までと比べると動的である。こんなにフレッシュな感じになってくるとは思いもしなかったので本当に衝撃である。でもどこか一歩引いた感じがあって、それは今までと全く変わらず、そしてその引いた感じがTortoiseなのかな、と非常に大雑把ながらもこのバンドの姿勢を垣間見たのであった。