Fotheringay

私が住まう街では昨日は花火大会、今日から七夕祭り、ということで賑やかな感じになりつつある。

とは言え生来、祭とか何とかはあまり興味がなく、人ごみが好きではない、とあってあまり関係なく日常を過ごすことには変わりはない。私が住んでいる場所も繁華街とは程遠い片田舎であるような場所であるし。

でも何故かこんな片田舎でも、この季節、何故か夜コンビニに行けば自称プロサーファー的な男や、EXILE的な男とかが浴衣女達と祭な勢いでワイワイやっていて、ああ夏だなー、祭の季節だなー、と非常にイヤーな感じで季節の風物詩を味わわせられるのであった。いや偏見とかはないんですけどね・・・。

Fairport Conventionの「What We Did On Our Holidays」を聴く。セカンドアルバムである。Fairportに関しては昔、半端な心構えで聴いて半端に手放してしまっていたので、心を入れ替えてリマスター版をどかーと聴いている。というかタワレコでIslandレーベル作品がセールなのが大きな要因でもあるのだが。ということで、Sandy Dennyが参加して最初のアルバムでもある。フォーク、トラッドの文脈で語られる彼等であるが、今作と次作あたりはロックバンド然とした佇まいとフォーク、トラッドのバンド然とした佇まいの狭間で揺れ動いているような感じで、その定まらなさ加減が実に絶妙で心地よい。エレクトリックギターの若干へヴィなリフとかとトラッド的なフレーズの融合とか、結構ありそうでないような組み合わせで盛り上がってしまうのであった。しかし特筆すべきはSandy Dennyのヴォーカルであろう。何かどこかくぐもっているような声であるのに実に伸びやかで、彼女がヴォーカルを取ると一気に音の風景が一変してしまう。とくにBob Dylan作「I'll Keep It With Mine」など名唱中の名唱であろう。Joni Mitchellの曲も取り上げており、そういったUSノリの志向とUKトラッド志向がうまく融合した、ある意味ミクスチャー的な作品である。ある意味定まらなさを逆手に取ってこんな傑作を作っちゃうわけだから、やはりタダモノではなかったのだなあ、と今更ながら感じ入ったりした。