Disfarmer Theme

先日のminimumにお越しの皆様、まことにありがとうございました。「ダンスミュージック」とか言って気合い入れて自宅のレコ棚探して選りすぐりのレコかけたつもりなのですが、結果的に80年代ゲイ率高し、セカンド・サマー・オブ・ラヴのしょぼい特集、中山美穂、とどぎついベースラインが鳴り響く結果に。こういうのでよければまた誘ってください!

で、今週の日曜日は盛りだくさんなこのイヴェント。

AOBA NU NOISE 2009.08.30(SUN) CLUB SHAFT OPEN / 20:00〜 ADV:1500YEN(1D) DOOR:2000YEN(1D)
Guest Act 2UP(from TOKYO), DJ MASAYA OMOTE aka LEF!!!(YOKOHAMA)
Live Act -W-(Waikiki Champions), runny stools×雨先案内人, M-KODA
DJ's EVOL(from LoveRecords), RAMBO, SISI, BOW

ゲストにTシャツ販売にポスター販売に、と何だかリアル祭りの様相を呈して来ている今月のANN、EVOLも祭りっぽく(血祭り系)頑張ります。8時半には皆さんと何回目かの乾杯をしたいです!

ところでまたしてもPCが修理中である。先週土曜日使用中に突如電源が落ちそのまま修理に出す、という悲劇が実は起きていたのである。HDがおかしくなっていたりするならばもう買い替えかー、とかクレジットカードを見つめながら悲壮な覚悟を決めていたものの、どうやら電源系統トラブルのようなので一応修理に出したのだった。

で、修理に出した家電量販店でぶらぶらとPCだの見ていたら、イーモバイル加入と同時だと100円だの840円だのというPCがずらりと並んでいてなんだなんだ、となったわけである。店員の話を聞くと、修理に出したPCの通信方式のAirH"のような感覚で、若干値段は高くなるもののより便利に使えるようである。これは今手元にPCなくてメールチェックとかどうしようか、とふさぎこんでいた私には朗報と言えば朗報、である。

しかも100円とかでPCが買えるわけでしょー、と突き進みそうになった私であるがうまい話には絶対に裏がある。と思っていろいろ聞いてみたら端末代が1万以上する、ということでほーら、となったわけである(まあその金額合わせてもすごく安いことに変わりはないのだけれども)。しかしイーモバイルではなく似たようなソフトバンクの方について話を聞いていたら、今はキャンペーン中で全額値引き、つまりただでPCも通信用の端末も手に入る、ということであった。なんだそれは。

それこそ裏あるんじゃないのか毎月すげえ金額かかって払えないと耳そぎ落とされたり海にコンクリと共に沈められたり一族郎党粛清されたりするんじゃないのか、と色々店員さんに食ってかかったものであるが、それもない、とのこと。結果、私は1円も払わずにその家電量販店からPCと端末を持って出てきたのであった。

そういうわけで土曜日以降のこの「日々散歩」はその際に入手したモバイルノートでもって更新している。まあ、タイミング的にもAirH"の契約更新が近かったのもあるし、そこら辺もナイスだったのだが、しかしただでPCが手に入ってしまう世の中なのか、と半ば半信半疑、というか恐れに近い何かを感じながら店を出たものである。いくら何回も確認して大丈夫です、となったものの、どうにもこうにも、ねえ。0円だからねえ。何かあるんじゃねえか、とかその日以来びくびくして暮らしている私は決して大物にはなれないだろうなあ、とか思ったりする秋も近づきつつある夜である。そして新しいPCのインターネットのお気に入りに真っ先に地元の毎週行っているレコ屋のネットショップとamazonとかを設定している自分ってなんなんだろな、とか思わざるを得なかったりする次第である。

まあ良い。Bill Frisellの「Disfarmer」を聴く。Nonesuchからの新作である。何でも今回はMike Disfarmerの撮った戦前の頃の素朴な農夫やら家族写真やらなにやらにインスパイアされた作品集らしく、ブックレットにも彼の写真がフィーチャーされている。でも、そういったいきさつを知らずしても結局最近のBill Frisellの路線、カントリーとかアメリカントラッド的な曲を何をどう考えても上手すぎるギターで紡いでいく、という作品のアルバムである。もちろん私はこの路線大好き、というかこの路線以外好きではない、とか断言できるほどなので満足して聴いている。またバンドの編成がスティールギターにギター、ヴァイオリンにベース、という不思議なカルテット状態なのであるが、スティールギターとBillの達者なギターの絡みなどかなり興奮する。Elvis PresleyやHank Williamsのカヴァーも実に納得行く、そういう路線の作品である。最早彼が元Naked Cityだった、とかEarthのアルバムにも参加、とかそういう部分ばっかり喜んでしまうような人間が聴いたら絶対に肩透かしを食らうような、そういうゆったりとゆるいアルバムである。ここ最近のRy Cooderのカリフォルニア三部作から完全にヴォーカルを抜いたような、そういう感覚もあり。またヴァイオリンとスティールギターの音色によるバックアップの仕方が邪魔すぎず埋もれすぎず、という絶妙なバランスの作品であって、聴いていてゆったりとならざるを得ない傑作だったりする。なんか、今回のテーマとかブックレットの写真のおかげで、ということでもないだろうがなぜだか思いっきり昔を振り返りたくなるような、そういうある種危険な衝動に駆られている私なのであった。いたってシンプルなのに(だからこそ?)何度も聴き返したくなるものであった。発売されたばかりなのに、あら昔から聴いてたっけ、と思わず自分をふりかえったりしたくなるような、なんともロマンティックな名作である。