Too Hot To Move

ところで、マ○ドナルドの新しいメニューを食べてみた。

鶏肉とレモンと塩、だなんて絶対美味いに決まってんだろ!大好きな組み合わせだし!と喜び勇んで食べてみたものの、えっと、なんだかちょっと強烈な味わい過ぎて苦手であった。というかまあ、端的に言うとしょっぱいのである。いやーもうちょい爽やかなもんだろう、とか思うものであるが、これはちょっとなあ、と何だか軽く具合が悪くなったような気持ちになったりした。

もしかしたら私がたまたま入った店舗がそういうきっつい味付けの店だったのかも知れない。それとも喫煙コーナーがなんかシケた風情の女子や、逮捕歴のことを延々語るオヤジたち、3人でずーっとゲームしている営業マン風情の男たち、という環境だったからもしかしたらそのバッドなヴァイブが私の注文したものにまでしみ込んだのかも知れない。それとも何か気の効かないバイトくんがせめて塩でも効かせてやろう、と思いっ切り渾身の力を込めて塩の味付けをしたのかも知れない。様々な原因が考えられ、そして何だかそのどれもが当たっているような気がしてくるから何ともうすら寒いのであるが、もしかしたら私が軟弱になってしまっていて、塩に対しての免疫力が低下してしまったのかも知れない。

確かに最近外食すると、しょっぱいなーこれ、と感じることが多々ある。今回のマクド○ルドの一品ほど強烈ではないにしても、よく行くラーメン屋では食券を買う際には一緒に「薄味」のボタンを押してしまうし、この間の法事の際にもちょっとしょっぱいなー、とか思う何品かの料理があったものである。いやー歳は取りたくないのう、とか思うのだが、これは自然な流れ、なのだろうか。とくに家では減塩ライフ、とか意識はしていないものであるが、知らず知らずのうちにそういう身体になってしまっているのだろうか。

まあ、悪いことではない。悪いことではないのだが、やはり外食であれ家での食事であれ、何でも美味しく食べたいものである、と願う私にとって今回のマクドナ○ドの一件はちょっと深い傷を残していったのである。塩加減って何事も難しいのかなあ。実生活でも何だか塩加減まちがってしょっぱい人、って少なからずいるわけだし。

とかあんまり減らず口を叩くのもアレなのでThe Triffidsの「Wide Open Road」を聴こう。Dominoって良いレーベルだなあ、と思う瞬間は誰にでもあると思うのだけれども、私の場合最近ではこのThe Triffidsのアルバムを全タイトルデラックス化で再発、という事実に接した際に痛切に感じたものである。この作品は、80年代を駆け抜けて、20年近く前に解散だか活動休止(うるさく言われるからやってらんねえ)だかしてしまったオーストラリア出身の彼らのベスト盤である。ヴォーカルのDavid McCombが亡くなってもう10年以上経つのだが、それ以降も、なんだか活動していた時期よりも評価が高いんじゃないか、と思わざるを得ない勢いであるのだが、まあ、それもこのベスト盤を聴けばあっさり納得が行く、というものである。メジャーに行ってからはアルバム2枚しか出していないのだが、それらの作品のプロダクションが何だかゴージャスである、という点以外はスケールの大きな美しいメロディといい、Davidの今聴くと意外なくらいソウルフルに聴こえる若干不器用なヴォーカルも、ギター中心、というよりはもっとヴァラエティ豊かなアレンジも全くもって不変で、実に楽しく盛り上がれるのだった。ネオサイケ(?)風な感じが強いかな、という過去の印象よりもずっとずっととっつきやすく、ギターバンド、というよりはいろいろやっているアレンジの印象が強く、もしかしたらそこらへんが当時ははっきりと何かに括ることができなかったが故にどかーんと盛り上がることがなかったのだろうか、とか勝手に思ったのだが私もメジャーに移籍してからの作品しかリアルタイムで聴いたことがなかったから大きなことは全く言えない。でもこのべスト盤は私のような初心者に近い者に対しても彼らの魅力をコンパクトながらもアピールしてくれる好編集盤である。途中何曲か元The Loft〜The Weather ProphetsのPeter Astorのソロアルバムを思い出す展開があったりして、まあ一言で言えば地味、なのかも知れないけれども揺さぶってくれるのだなあ。