I Will Die With My Head In Flames

うわ、もう9月だ。ということでご無沙汰しておりました。

まずは、先日のAOBA NU NOISE、ありがとうございました。とりあえずまずは串鳥が最高面白かった。そして久々の2人体制DJは、いやいや、こうですよねーこうこう、と手ごたえを感じました。ま、Shop AssistantsからMotorcycle Boyにつなぐ、とかそういう点がツボでしたね。しかし思うんですけど、これ、1人でやってたら上記のようにつながるの普通なんですが、2人でやってこういうつなぎになる、ってどんだけ被るレコードのコレクションなんだ、っていう話で。またよろしくお願いいたします!

という感じなのだがいきなり(仙台弁で「いきなり」というのは「とても」とかそういう意味である)激務だったりするのだが、こないだ歓楽街を1人で夜歩いていたら、いきなり(←こちらの「いきなり」は標準語の方で、「唐突に」の意)片言の日本語を話すお姉ちゃんにぬるっと腕を掴まれて(暑かったからお互い汗ばんでいたんだな)「おにさん、どこ行くの?3000円。3000円で疲れ全部取る。ほんと。嘘じゃないよ。」と話しかけられてずっと結構な距離一緒に歩かれたのだった。

こちらとしては結構アルコール満タンだから早く帰って寝たかったので「いやいや帰るから」と言うのが精一杯だったのだが「疲れ全部取るから。本当嘘じゃないよ。」と己の誠実さをアピールするその女は繰り返すのだった。

しかし明らかにその女は嘘をついている。私の疲れを全部取る、ということを3000円でできるわけないんだ。もし疲れを全部取る、とか言うのだったら3000円、とかそういう問題ではなく、毎晩ハードに私の肩を揉みほぐし、お風呂をその日の体調に合わせた温度に設定し、且つ私の代りに仕事をし、その稼ぎはまるまる私に渡し、挙句の果てにはここには書けないようなハードな要求に応え、とかそういうことを私に対してその片言の日本語を話す女は約束することになるわけで、そういうことも考えているのなら確かにその女は嘘をついていない、と言えるのだがそういうことを言わずに「本当」とか繰り返すわけだから、これっぽっちもそんな女は信用ならない。

別れ際女は「おにさん、冷たい」とその大して可愛くもない顔をお茶目に見せようとふくらませていたのだが、冷たいとか言われる筋合いはなく、寧ろこの世の地獄のような「私の疲れを全部取る」ということをしないで済むように解放してあげたのだから感謝の言葉の一つくらい欲しいものだなあ、と思いながらタクシーに乗り込んだ私なのであった。

そんなやるせない夜を過ごしたがFeltの「Bubblegum Perfume」でチャラだ。解散(活動休止なんですかどうなんですか)後の90年リリースのCreation時代のベスト盤である。なんか雑誌でFeltの話題を読んだり、レコ棚でレコードを探している時にFelt12インチコーナーにブチ当たったり、と私の脳内の外堀をFeltが埋めてきたので衝動的に聴いている。FeltのCreation時代のベストと言えばこれより後にヴォリュームたっぷりのCD2枚組のものが出ていたりするのだが、この「Bubblegum〜」はCD1枚でぎゅっと凝縮されていてCreation時代を駆け抜けたい貴兄貴女私には最適だろう。Martin Duffyのオルガンが暴れまくりの80年代中期の小気味よいナンバーから、彼の鍵盤もオルガンのみではなくエレピが入ってきたり、というCreation時代末期(88年)辺りまで、どの曲も珠玉の名曲なのである。以上。で終わっても良いのだが、やはりなんなんだろう、このLawrenceの歌っているのかしゃべっているのか、というスタイルのヴォーカルは一貫していて変わらない。それはもっと言えばCherry Red時代から全く変わらない。結構演奏のスタイルは変化があるのだけれども、結局彼のヴォーカルがあればそれはもうFeltなのである。インスト曲があったりするのだが、やっぱりそれは所謂Feltっぽい、という感じがしないのはその由縁であろう。勿論そのインストも名曲揃いなので、楽しめるのは言うまでもないのだが。でもリリース当時はLawrenceのヴォーカル入ってないのにFeltのアルバムなのかー、と戸惑ったのは事実だったりする。Creation時代のコンピだからあの名手、Maurice Deebankのギターは聴けないのだが、それでもオルガンの陰に隠れそうになりながら細かく印象的なフレーズを弾きまくるギターは至るところで聴けるので、あまりこの時期に関して言及されることのない「やっぱりギターが良いバンドFelt」という側面に注目しても楽しい聴き方ができたりするし、歌詞に目を通せばなんでこういう表現思いつくのかなー、とか意外にユーモラスじゃん、とかうわ暗いけどこれなんか本気じゃなさそうだな、とかいう楽しみ方もできるから、やっぱり何度も何度も楽しめるアルバムなのであった。ついでに、ネロリーズがカヴァーした楽曲も入ってますよ、という重要な情報も付け加えておきたいものだが、果たしてどこまで有益な情報なのか、とふと冷静に考える。