Tomorrow

昨夜のAOBA NU NOISEにお越しの皆さま、スタッフの皆さま、ありがとうございました!なんか、我々EVOLは日付変わってからの出番、ということでそれまで正気を保てるか否かが全てだろうと思ってたのですが、何とかやりとげました(語り付き)。しかし毎回好き勝手にやってるだけなんですが、楽しんでくれる方々が微妙に増えつつあるみたいでありがたいです。今後ともよろしくお願いいたします。個人的にはMega City FourとMatthew Sweetを爆音でかけられたのが痛快でした、って本当にそれで良いのだろうか・・・。

しかしそんな狂乱の夜から一夜明けたら物凄い大雨で今朝の出勤時は車で海を走ったらこんな感じなのか、というくらいのじゃばじゃば具合で、車が止まるんじゃないか、と思うほどの水の抵抗を感じ、また水の中を走ったらブレーキが効きづらくなって前の車に激突するんじゃないかという恐怖を覚え、且つどんなに減速しても水を思いっきりはね上げてしまい、歩行者の皆さますみません、という思いで一杯だった。

こんなことって前もあったような気もするけれども前が全く見えなくなるほど水をはね上げて走る、ということはなかったようにも記憶している。先の大地震のせいで我が家の近所はかなり陥没した部分が増えた、というか地盤が沈下しているのは確実なのでこのようなありさまなのだろう。沿岸部の被災地ではどんなことになっていたのか、考えるだけでも何だかふさぎがちになってしまうのだった。

しかし震災後は本当に今までの普通だったことが実はありがたいことなのだ、ということを感じさせられる。普通に走っていた道路も最早普通ではなくなってしまっているわけだし。まあ今日は雨が普通ではなかったということも大きかったものだが。

だからこそ生きて楽しいことができるのならばそれをガンガンやらなければならないのだな、という思いが頭をもたげてくるわけで、それは昨夜のAOBA NU NOISEに於いても顕著だったわけである。そしてそんな夜の次の日には若干の気だるさと共存しなければならないだろう、という予感がしていた。大当りであった。だから昨日、そんな夜の次の日の朝にはこういうの聴きたくなってるんだろうな、という予感がしてKitty, Daisy & Lewisの「Smoking In Heaven」を仕込んでおいた。大当たりであった。まだ、18歳、21歳、23歳のきょうだい達からなる3人組のセカンドである。このきょうだいのお母さんはThe Raincoatsの「Odyshape」オディシェイプ [歌詞/対訳付] [解説付]に参加していたIngrid Weissだったりする。でもそういうニューウェーヴ的な期待はあっさり裏切られ、陳腐な言葉ながらヒップな、スウィングする、Johnny Cashの「Get Rythm」のヴァージョン違いみたいなイキの良いナンバーと、どことなくカントリーっぽいナンバーとスカナンバーがぎゅっと詰まった作品になっている。前作Kitty Daisy & Lewis (Dig)はちょっとタイミングが悪くて聴くまでには至らなかったのだけれど、どうやらカヴァー中心だった前作とは打って変わって全曲オリジナルである。パワフルな姉妹のヴォーカルも、ちょっとどこか抜けているような長男のヴォーカルもイキが良いことに変わりはなく、聴いていて凄く楽しい。ドラムスにギターにウッドベースに、というのが基本のシンプルなアンサンブルなのだが、タイト、とは言い切れない、どこかゆるくまとまったような感じの演奏である。しかしそれもまた、良い意味での味になっているのがこのバンドの乗っている証拠なのかも知れない。古い音楽と新しい音楽、と区別してしまえば明らかに前者に当てはまるような音楽なのだけれども、オーセンティックなスカナンバーが醸し出す空気も含めて、全体を覆っているどこか安心できる空気が凄く気持ちよいので、何だかずっと身を委ねたくなる、そういう音楽である。