Practice Makes Perfect

実はありがたいことにお盆休みが一昨日から始まったのだが、まず温泉に一泊してその足で石巻の母方の実家まで行き、今日は今日とて盛岡まで行き、明日からは東京で一泊、その後の月火は仙台にいるものの予定がみしみし、というかつてない状況になっている。

いや、昔はそれで良かった、20代で独身で。しかし今や30代後半で独身でない状況であるから、ちょっと一日くらいぽっかりと空いた日があれば、とか思ったりもする。でもまあ、仕事でみっしりなわけではないから全然構わない、というか寧ろこれくらい予定が入る、ということはまだまだ自分イケるんじゃないか(何が?)、とか思ったりしてきているから性質が悪い。

でも絶対、何もしなければ何もしないで、こりゃまずい何かしなきゃ、とか気ぜわしくなって落ち着かなくなるのは目に見えている。何せ自分と一番付き合いが長いのは自分なわけだから、そこら辺はね、もうわかるわけですよ。でも事前にスケジュールが真っ黒くなっていると、ややや、と不安になったりするお年頃なわけである。

と言うか、自分、いい加減もう若くないんだからスケジュール管理の術の一つや二つは身につけても良いのではないか、とふと思った。と同時に15日ってPILの単独ライヴだよな、とか思い始めたり、楽しい用件ばかりだから良いじゃないか、と開き直ったり、といういつものように人間存在のアンビヴァレントな性質を見せつけられる結果になるのだった。

わかっちゃいるけどやめられない、ってのはまさにこういうことか。とりあえず飲み過ぎには注意、ということだけは肝に銘じておこう。あと地震来るな、ということを願うばかりだ。

盛岡行ったらWireの「Chairs Missing」帯付きが我が家にやってきた。ということで何千回と聴いたこのアルバムをまた聴いている。あ、アナログで聴くは初だな。78年のセカンドである。帯に「第2のピンク・フロイドとも囁かれる」と書いてあっていや、レーベルがHarvestだからってそりゃあないんじゃないか、とか思ったりさせられて結構面白いな。いや、確かにフツーのパンク的側面もあるバンドだけれども、このセカンドでは言われてみればなんかパンクだニュー・ウェイヴだなんだ、ということよりもピンク・フロイドねえ、なるほどなあ、と一考の価値はある音になっているように思う。まあ違うとは思うのだけれども。ここではギャンギャンのロックンロールもあるし、ひんやりとした感触のぎくしゃくしたナンバーもあるし(ほら、ElasticaとかMenswearのネタの、と言っても今の時代では・・・)、叙情的なシンセとメロディで泣かせるナンバーもあって、実は意外にヴァラエティ豊かだったりする。でも、どこか醒めているような、つまり合わせてヘッドバンギング、とかいうノリにはなかなかなりづらい感じが全体を覆う。PILの「Metal Box」もそうなのだが、やっぱりどこか冷静である。それはもしかしたらMike Thorneのプロデュース、というのもあるのかも知れないけれどもその後の現在にまで至るWireとしての、そしてソロでの展開を考えると、どこまでも冷静である、というのはあながち外れでもないかもな、と思ったりした。しかしYo La TengoGenius + Love = Yo La Tengoもカヴァーしたクールに爆発するロックンロール「Too Late」(邦題「遅すぎる」)が全体をばしっと締めていてシビれるな、と何千回目かの感想を述べてみる。