When You're Sad

ああこうしてあっさりと仕事が始まって、また下らねえ連中の妄言に振り回される日々がやってくるのだなあ、と思うと日常に戻った感じで実に安心する、というかほっとする、というか日常がきちんとあることに感謝だなあ、とか思うかよこの野郎!そういうこと、震災経験してしまったから故思うことは思うけど、それを上回る下らないことの連発で年明け早々怒髪天を衝いたぞまったく。しかも大体そういうことって自分に関係ないところで起こりがちなのがまた・・・。

とかそういうことは置いておいて、昨日のエントリで「凄く」良かったアルバムを挙げたのだが、あと3枚「凄く」良かったのを思い出した。毎年取りこぼしが必ずあるんだなあ。
Nite Jewel / One Second Of LoveOne Second of Love
John Cale / Shifty Adventures In Nookie WoodShifty Adventures in Nookie Wood
Maria Minerva / Will Happiness Find Me?Will Happiness Find Me?
「凄く」良かったです。後はamazonでの扱いが微妙なのだがSpectrum Spoolsからのリリースはどれも全て良かった、というかEditions Megoのサブレーベルからのリリースはアートワークも含めてどれも全て感心するクオリティで、流石だなあ。

さて、A.R. Kaneの「Complete Singles Collection」を聴こう。ここ最近The Asphodells、というかAndrew Weathrallのプッシュがあって、結構その名を耳にすることもまた多くなってきた彼らの、本当にシングル全部、One Little Indianからリリースされたファーストから、アメリカのみで出たリミックスだったり、フランスのみで出たリミックスだったり、94年にThird StoneとLuaka Bopからリリースされたラストアルバムからのシングルまで入ったありがたいCD2枚組コンピである。元々「黒いジーザス&メリー・チェイン」という異名だった彼らだが、こうして聴いてみるとその呼称が当てはまるのは本当に86年のデビューシングルのみであって、それ以降、つまり4ADに移籍して以降はギターこそ入ればノイジーではあったのだがもっともっと曖昧な世界に突入して行ったことがわかる。と同時にダンサブルになって行くわけで、(それが端的に現れるのはM/A/R/R/Sの「Pump Up The Volume」だったり)その上でその2つのベクトルが融合したり、とかはなくそのまんま、2方向のベクトルを保持したままで活動していったわけである。87年に4ADに移籍してのCocteau TwinsのRobin Guthrieプロデュースのシングルなど、もうもやんとした世界にノイジーなギターで、実に由緒正しい4ADな感じ、なのがその後はM/A/R/R/S、で88年にラフトレに移籍して更にアブストラクトなもやん、とした世界、でそのままポップ且つダンサブル路線でシングル切って、今回のこのコンピで初めて聴いたリミックス等にも突入していくわけである。ということで今回のコンピ聴いて全貌が把握できるか、と言うとそれは難しいのである。かと言ってアルバム2枚(その後のは聴いてないな・・・)聴けばなんとなくわかるか、と言えば「69」Sixty Nineアブストラクトな路線、89年の「i」Iはダンサブル路線〜ポップ路線〜ノイジーなバンド路線が一気に混在、となっているわけであるから結構それも難しい。ただ、色々やりたくてそれを忠実に実行してしまったバンド、ということは非常によくわかる。そして掴みどころはかようにないけれども、どれも格好良い、ということは嫌というほどわかる、という一番ダメな結論に到達するのであった。あまりにも多面的過ぎて正当に評価されなかったかも知れないけれども、今このとっ散らかった方向性の楽曲群をまとめて聴いてみると、唯一無二過ぎて本気で感動する。大体レーベル遍歴だけでも結構面白くて、最終的にSpacemen 3のマネージャーがやってたレーベルとDavid Byrneがやってたレーベルから同じ作品リリース、とかあり得ないよなあ・・・。ところで88年に変名(ARK名義)で出しためっちゃくちゃ恰好良い「Listen Up!」が入ってないのが残念だったりする。まあ、名義違うからなあ、とは言えM/A/R/R/Sも入ってるからなんとかならなかったかなあ。

とか言ってたら去年イタリアのMannequinから出たMushyの「My Life So Far」というシングルBreathless(←このリンクはアルバム「Breathless」)ではFeat. A.R. Kaneとなっていて、もしや復活したのか・・・?