8am

連休の最悪な点は終わってしまう、という点である。

それはさておき、何だか毎年連休のこの時期は体調が優れないものであったりするのだが、今年はとくになんだかひどかった。連休前から何か喉が痛いな、と思ったら扁桃腺がぷっくりと腫れていて、そこからは風邪薬やらヴィックスドロップやらイソジンやらでドープにドーピングして何とか乗り切りつつある。

しかしそんな中でもこの連休のうち1日は実に連休らしいことをして福島県の諸橋近代美術館に岡本太郎展を観に行った。冷静に振り返ってみればこの日が一番調子が悪かったのだが、暖かかったし、何せ朝早くに出発したので道路でも開館と同時に到着した美術館でも昼食のそば屋でも、全く混雑には巻き込まれずに実にスムーズではあった。岡本太郎の展示は勿論面白かったしダリの常設展は衝撃的な作品の数々で、何か興奮して俺はこれから作品を作る!とかわかりやすい感化のされ方はしなかったけれども、逆に、芸術家の人々は表現するためにこんなにめんどくさい金属を加工したり、どでかいキャンバスに絵の具を叩きつけることを全く厭わないのだろうなあ、とそもそものスタート地点での違いを改めて認識することになり、自分はやっぱそういうのではないのだな、ということを思わされたりした。

しかしいかんせん山を越えて下って車で行ったので、耳の調子がおかしくなった。扁桃腺が調子悪い時にはとくになのだが、普通は気圧の変化に対応できる筈の耳が、いつまでたっても詰まってしまった状態のような、常にさーっという音が鳴っている状態になってしまってなかなか大変ではあった。しかしそれから2日静養したらば耳は普通になり、扁桃腺も普通になりつつあるから休養は大事である、と身をもって体感したのであった。

あーもっとすげー充実してたぜ、的な振り返りをして、明日からの仕事も頑張るぜ!的前向きなまとめでも出来れば良いのだが、そういうのは他の人のブログにお任せしておくのだ。現に今外の天気も暖かく穏やかだったのに、いつの間にか曇り、物凄い突風が吹いている。まるで連休終わりを嘆くかのようだ。自然界までもが私のグルーヴと同期してくるとは・・・。

でもね、何だかんだ言って連休はお友達と楽しい時間を過ごして牛タン食べたり、上記小ドライヴもできたし(BGMはPizzicato Five(田島期)ベリッシマThe CollectorsSILVER SPRUCEOriginal LoveRAINBOW RACE大沢誉志幸Collage)、部屋の本棚をキャスター付きのスチールラックに取り替えるべく突如DIYしたり、久々に街中を歩いたり、ということで個人的には日頃出来ないことをした、という達成感では一杯なのだ。でもやっと体調も復活してきて、まだまだもっと色々やりたいからもっと連休続いても良いんだぜ、という点は譲れないのだ。

あー今週をまず乗り切れば比較的楽だな、とか沈みがちな気持ちを何とか鼓舞してBona Dishの「The ZaragozaTapes: 1981-1982」を聴く。活動中はコンピに1曲、そしてカセット2本(なのかな)しか残さなかったUK男女4人組の全音源をまとめたアルバムフロムCaptured Tracksである。というか、発掘も良いとこなので全然知らなかったのだが、これがめちゃくちゃ格好良い、というか好みの音なので、まだまだこういうのいたんじゃないのかおい、と開けなくても良い扉を開いてしまいそう怖いのだが、まあ私の好きなこの時期の所謂ニューウェーヴの音である。まあニューウェーヴと言っても実に幅は広いわけであるが、どちらかと言うとYoung Marble Giantsがちゃんとバンド編成だったら、Marine Girlsがもっとちゃんとご飯食べていたような感じだったら、というような音である。当然ギターもベースもドラムスも実に素朴なサウンドであるが突然パーカッション大フィーチャーとかヴァイオリンがサックスが、とかそういう事件も勃発したりする。でも何よりも各曲毎に必ず切り込んでくるフレーズがギターであれべースであれコーラスであれ配置されている、というのが実に悶絶するほどの魅力である。当然音源は寄せ集めなのだが不思議な統一感があって、それは手の内が少ないことの裏返しでもあるのだけれども、それだけに旬だった瞬間を切り取っていることの証拠でもあるので悪いわけがないではないか!個人的にこの女子ヴォーカルの淡々とした感じの歌い方が凄くポイント高い。と言うかこういうのが私の好きな音楽です、って今日は宣言したいところ、と思わせるくらいの驚異の発掘音源。