Shut Up

ということでどうやら風邪の影響で耳がおかしい。

私の場合耳が弱くて、18年くらい前に鼓膜の裏に水がたまった状態になって病院に行って以来何かあるたびに耳の調子が悪くなるのである。症状は毎度毎度微妙に異なるのだけれども、聞こえづらくなるのは変わらない。今回は何と言うか、左耳が微妙にふさがった状態、とでも言うのかそういう状態で難儀している。自分の声がでかく聞こえて耳がビリビリ言う、という経験はなかなか今までなかった新鮮な状態である、とかそういう呑気なこと言っている場合ではなく結構しんどい。

ので耳鼻科に行って来たが、アレルギー性鼻炎持ちの上に風邪をひいてしまったので、鼻と耳を繋ぐ管が炎症を起こしているのが主な原因らしい。主な・・・?あとは・・・?という思いが強かったがとりあえず薬をきちんと飲んで静養する日々である。おそらく他の原因はストレスだろうなあ・・・。

という中でこないだクラブイヴェントに行ったのだが、出音で左耳がもうビリビリ言っててこれは、となったので指を左耳に突っ込んで過ごしていたものだった。大方の予想に反して、外からの影響で耳がおかしくなったわけではないので別に音がデカイから耳に悪い、ということはないと思うのだけれどもさすがに全編、左耳から流れ込んでくる音が全てTeengenerateのようにバリバリに音割れしたガレージパンクのようになっているのはちょいといただけないものだった。

思えば18年前のあの耳鼻科がもうちょい何かしてくれていたらこんなにはならなかったのかな、とか思ったりもするのだが、それは多分その時に荒っぽい治療されたことに対する恨み節に過ぎないのは自分でも十分にわかってはいるのだ。なんせいきなり頭を右に傾けさせられて耳に針突っ込まれて水ぶくれ状態になっていた(らしい。自分で耳の中はさすがに見れないもので。)ところを刺してつぶす、という治療をされて、どうにもこうにも精神的に動揺した経験があって何かあんまり良い思い出ではないもので。

でもこないだしょうがないからその耳鼻科に行こうとしたら扉が閉まっていてやっていなくて、こないだもそこの前通ったらテナント募集、となっていたので何か逆に嗚呼思い出の場所がこうしてまた一つ消えていく・・・、とか勝手にノスタルジーに浸ってしまったりしたのでやっぱり人間は勝手だ。

しかしそんなことはどうでもよく、人間には利き耳がどちらかにはあるもので私の場合左耳のようである。だからメインに使う耳が不調だと何か日常生活に於いてなかなかに不便なものである。早く治らないかなあ・・・。

ということで外から左耳を癒すべくSavagesの「Silence Yourself」を聴く。いや、全然知らなかったのであるが、タワーレコードで何のキャプションもないままに試聴機に入っていて一発購入決定だったのである。何よりもこのジャケは反則なくらいにカッコよすぎる。これ見て触手が伸びない人間いるんだろうか、とか暴言吐きたくなるくらいにカッコ良い。そしてジャケ裏には「Don't Let The Fuckers Get You Down」の文字。完璧だ・・・。とダウンロード全盛の世の中に乗り遅れてしまった人間の発言を繰り返したところでロンドン出身の女性4人組である。まず空間がしっかりと取ってあるところで爆音で鳴り響くギターとベースとドラムスのどでかい音にやられて、そんなバッキングで決して明るくはないメロディを震える暗い美声で歌い上げるヴォーカル、というのにもう背筋がゾクゾクするほど興奮させられた。圧倒的にワルい音楽である。そのワルさは何と言うかNick Cave関連者が持っているようなハードボイルドな世界に通ずるものだったり。ヴォーカルの声質のせいでSiouxsie And The Bansheesにも通ずるものだったり。そして全編に漲る緊張感やら何やらはElectrelaneに通ずるものだったり。決してポップなメロディで突っ走るロックンロールではないし、ガレージと言い切るにはかなり整った印象はあるのだけれどもこういう世界観をがつーんと打ち出してくる新人がまだしっかりといるのだから未来は明るいと信じたくもなるものよのう・・・。