Atomos I

来週の水曜日の話です!

Yipes!@Club SHAFT 2014年10月22日(水)20:00〜 DOOR/1,500yen(1D)
DJs: Carl, Kenta_xxx, Rambo, tdsgk

是非よろしくお願いいたします!多分トークも普通に面白い4人だと思いますので音楽とおしゃべりのためにいらしてくださいませ!

今週15日の水曜日には同じくClub SHAFTでNU HORIZONがありまして、こちらも楽しいイヴェント、且つCDももらえるので今月は2週連続水曜日の夜はお出かけください。

そして

10月26日(日)にはAOBA NU NOISEですが、今回は焼き肉に続き、芋煮スペシャルになりそうな予感なのでお楽しみに!

よろしくお願いいたします!

さて今日誕生日を迎えて40歳になってしまった。

この間仕事の際に広辞苑を使って調べ物をしたのだが、ふと「初老」という言葉が目に入った。そこには「老境に入りかけた年ごろ。40歳の異称」と書いてあった。初老・・・。

そして最近読んでいるD・H・ロレンスの『翼ある蛇』翼ある蛇 (上巻) (角川文庫)翼ある蛇 (下巻) (角川文庫)(めちゃ面白い)で女主人公ケイトは「・・・いよいよ四十歳になったと思った。この事実を自分自身には隠しはしなかったが、他の人たちには秘しておいた。(改行)ほんとに、一つの打撃だ。とうとう四十歳!一つの境界線を越えなければならない。こちら側には青春と自然発生的な活動と「幸福」がある。あちら側には何か異なったもの ― 抑制、責任、「享楽」からのある後退がある。」なんてことを言っている。打撃・・・。境界線・・・。享楽からの後退・・・。

と既に誕生日を迎える前から、地味に文字的に打撃を食らうことが多くてそうか、それが40歳になることか、と心構えを強いられていたものだが逆にこうなってくると意地でもうおお、うるせえ!と広辞苑に対して反旗を翻し、師匠の嫁と駆け落ちしたりするエロ描写大好き作家に対しては喧嘩売ったろか!という気持ちになってくるから相変わらずである。あ、ロレンスは大好きだけれども。

ということで世間的には微妙に老齢期に突入し、イギリスの作家によればもう幸福というよりは享楽からの後退、と認識される年齢になってしまったけれども素敵な先輩方の姿を思い浮かべ、また、まだまだ享楽的に生きてやろうじゃないの、と変に未だかつてない感じで無駄にやる気出てきた。だから今後とも相変わらずやっていく所存なので皆さま、よろしくお願いいたします。

ちなみに誕生日にNeil YoungBob Dylanの諸作が届く風習は変わらずで、それがどんどん突っ込んだ辺りになって来ているのも趣深いが、同時に長い年月の間その友人たちと親交を持っていることの表れでもあって今年は「タカ派ハト派Hawks & Dovesと「偉大なる復活」Before the Floodをしみじみとありがたく聴かせていただこうと思う。

ということでA Winged Victory For The Sullenの「Atomos」を聴く。誕生日だからって、タワレコがポイント12倍だからって乱れ買いしまくってしまった・・・、と結局何歳になっても反省しきりなのだがその中の1枚である。ちなみに前の前の日には30代最後カウントダウン、とか言って中古レコードフェアで乱れ買いしてしまったのでもう、駄目だ自分は・・・。さて、Dustin O'HalloranとAdam Wiltzieのユニットのセカンドである。何でも彼らはSparklehorseのツアーの際に出会った、ということでそうか、と何だか感慨深いのだが私はAdamの在籍しているStars Of The Lidの何も起こらないドローンっぷりが大好きだったので、その新しい展開という耳で聴いていたのだが、世間的にはこちらの方が評価が高く人気らしい。確かにポスト・クラシカル、と目される音楽に近いのだな、とファーストWinged Victory for the Sullen(名作)の時点で思ったものだが、今回のダンス作品のための作品集は更に美しいストリングスとモジュラーシンセが大フィーチャーされていて、メロディとかそういうものを超えて空気だけで何だか琴線に触れるような、スケールの大きなアンビエント作品に仕上がっていて全編に漲る緊張感のようなものは相変わらずであるが、どことなく甘く抒情的である。それは例えば弦の震えのだったり、持続音の揺らぎだったり、そういうちょっとしたところで喚起させられる感情のせいなのだがそこら辺も随分緻密な作品なので、今作に深く関わっているBen FrostのこないだのアルバムAurora [帯解説・ボーナストラック収録 / 国内盤] (TRCP162)が同じような心もちを「強」方面で展開していたとするならばこちらは「弱」で展開しているようなものなのだな、と思ったりもしたのだった。全くノイジーな世界ではないけれども。大体ピアノ1音だけでうるるる、と来ちゃうのだこちらのこのアルバム・・・。歳かな。