Family


明後日の土曜日!

Somewhere In My Heart〜多屋澄礼(著)フィメールコンプレックス(彼女が音楽を選んだ理由) 出版記念〜@ CY (仙台市青葉区大町2-9-22 1F) 2015年2月28日(土)20:00〜24:00 1500yen (+1D)
Talk show: 多屋澄礼×tdsgk
DJ: Somewhere In My Heart DJ's & Sumire

よろしくお願いいたします!物販もかなり充実してるかと思いますのでお楽しみに。ちなみに予約は somewhereimh@gmail.comで受け付けております。仙台は勿論、発売後すぐのイヴェント、しかも土曜日なので遠方よりもお待ちしております。仙台良いとこですよー。

ということでQuat(out)、次の日のAOBA NU NOISEにお越しの皆さま、ありがとうございました!両日とも全力で、しかし傍から見てればコイツなにやってんのや、的な奇奇怪怪なDJだったかとは思いますが、今後ともよろしく!Quat(out)では2セット、ANNでは1人で1セット、だったのですが、全て同一人物とは思えない、というのをこころがけてやりました、いかがだったでしょうか・・・?

ちなみに3月は今のとこ2件、18日(水)と27日(金)か28日(土)にあるかもしれません。ちなみにAOBA NU NOISEは3月にはなくて、4月に2回、というこれまた狂ったスケジュールですが、今年も本当に年甲斐もなく頑張りますのでよろしくお願いいたします。3月は多分2回ともロックンロール色濃いめのDJになるかと思います。

さて、そんなAOBA NU NOISEの日は私は飲酒しているので車では動けなく、そして大体終電の時間を過ぎてタクシー帰宅なので赤字である。否、そんな生臭い金の話がしたいわけではない。それを超えたところでの物凄い話がこの間あったのである。

この間の日曜日もやはりAOBA NU NOISE、飲酒後の物凄いハードコアDJからのライヴ観戦、でタクシーだったのである。一旦帰宅のためにClub SHAFTを出て歩いてなるべく歩いてタクシーに乗ろうと思ったのだが(何せ我が家は街中から優に10キロ以上あるのだ)、途中忘れ物をしたことに気付き、またSHAFTに歩いて戻り、最早疲れたのでSHAFTの目の前でタクシーを拾って乗りこんだのである。

まあ、最初は別に淡々と、ただ仙台で私が乗ったタクシーでは初めてカーナビを利用しているドライヴァーさんだったので珍しくてちょっと私にしては珍しく運転手さんに話しかけたりしたのだが、まあ何せ道中長いから途中無言になるわけである。

たいていそういう時はタクシーのラジオから流れてくる「ラジオ深夜便」とかそういうラジオ番組に耳を傾けるわけだが、どうも今回私が乗ったタクシーではそのようなラジオ番組は聴かれず、そうではなく小さな音で「つくつーつくつー」といったハイハットの音がずーっと聴こえてくるのでどうにも不思議に思っていたのだった。それで信号待ちのタイミングで話しかけてみると、スマートフォン経由で海外のラジオを聴いているということだった。しかも「洋楽、ロックとかテクノとか好きなので」という話だったのでちょっと掘り下げてみたら、ポストパンク、という言葉が運転手さんから出てきたので軽く衝撃を受けたのだった。

で、それから家に着くまでの5,6分間ずーっとThe Pop GroupとかPILとかThe Charlatansとかの話をし、挙句運転手さんから「この間Bo Ningenが仙台に来ましたね」と言われたので、ついさっきまで私がその場にいたAOBA NU NOISEの話をし、しかもThe Horrorsのライヴを観たことがある、とかそういう話もされたので家の前で会計を済ませてから私がその日のDJ用に持っていたCDを見せながらあれこれ話し(運転手さん曰く、「いやこれは仕事より大事な話ですからね」)、AOBA NU NOISEに必ず来てくださいね、と約束し、しかも私のネット上での通名tdsgkまで教え(メモってた)、今度は遊びましょう、と話して別れたのだった。

んー、偶然の出会い、とは言えこれは凄い話だなー、って思うのだがどうだろうか?タクシーの運転手さんとの出会いって本当に偶然中の偶然だとは思うのだが、まさかAOBA明けのタイミングでこんなことがあるとはなあ、と変に胸アツになったのだった。3月はないけど4月のAOBAにはあの運転手さん、来てくれるだろうか。その前にtdsgkを検索かましてくれたら、もっと早くにまた会えそうな気がして楽しみである。

でも、重ねがさね言うけど、本当にびっくりしたなあ、Mark Stewartは頑張ってる、とかPrimal Screamが、とかFactory Floorが、とかパーテーション越しの運転席から話を振られる日が来るとは・・・。

ということでThompson Familyのアルバムを聴く。Teddy Thompsonを中心にその兄とか妹とかその旦那とか甥っ子とか、そしてRichard, Lindaと言う御両親(離婚してますが)が一同に会して、のファミリーアルバムである。別に全員が一か所に、ということではなさそうでTeddy(美声なのよね)が中心に編集したり、という過程を経て出来上がったアルバムのようであるが、これがまた別に家族の絆が云々、とかそういう話を全く抜きにしてもすごーく良いカントリー風味〜フォークアルバムなので凄くフラットな気持ちで楽しめる1枚なのである。大体Richard ThompsonにLinda Thompsonの元夫婦コンビがいるだけで悪いわけないのであるが、結構気楽にスタートしたあったかプロジェクトも最終的には各々が音楽的に凌ぎを削る大変なプロセスを経たらしく、結果、一応ファミリーアルバム的なあったかもありながら、最終的には各々がどや、と意気込みを十分に聴かせる、単純な我々聴き手としては大満足、作り手は相当疲弊しただろうなあ、という力作に仕上がっているのだった。なかなかに複雑な関係性のThompson家だからこその大変さだったかとは思うが、この手のフォークロックのりのアルバムの中ではここ最近で一番のユーモアとテンションとスケールの大きさが味わえる名作なので、Teddy Thompsonに出会ったら一杯奢ってその労を労いたくもなるのが人、というものだろう、と強く思うのであった。