Yesterday, Today And Tomorrow

今年度一番の激務を先週月曜日から昨日の日曜日までぶっ続けでやっていたらさすがに体調が悪くもなるもので、今日は病院の定期健診であったがそれ以外は死んだように過ごしていた。だから更新もご無沙汰なのである。今週末はMarc Almond様の来日なのでそれまでに体調は完璧にしておかなければならないから、これからが本当の意味の勝負で、仕事で体調など崩している場合ではないのである。

 

ということで元気ではなかったがまあ何とか生きている。日々色々なことがあったが、まあ雑感としては、文句ばかり言うことが何等かのためになるであろうとくに後進の、と思っているような人と仕事するのは疲れるのう、ということや、「いらすとや」のイラストをネタではなくガチで使っているようなものに対して段々拒絶反応が薄れてきている自分に恐怖を感じる、ということや、山下達郎の「サンデーソングブック」に於けるScott Walker特集は3週間とても楽しかったけれども、それこそ80年代以降の、達郎氏言うところのアヴァンギャルド路線を愛する(勿論キャリア初期のポップアイドルとでも言える時期も大好きだけれども)者としては何だか本当に申し訳ない、という不思議な気持ちにさせられる特集だな、と思ったり、そして達郎さん、「The Drift」

Drift [Analog]

Drift [Analog]

  • アーティスト:Scott Walker
  • 出版社/メーカー: 4ad / Ada
  • 発売日: 2012/07/10
  • メディア: LP Record
 

 の後のオリジナルアルバムを1枚

Bish Bosch [12 inch Analog]

Bish Bosch [12 inch Analog]

  • アーティスト:Scott Walker
  • 出版社/メーカー: 4ad / Ada
  • 発売日: 2012/12/04
  • メディア: LP Record
 

 お忘れですよ、とかなんならその後Sunn O)))と一緒にやったのも

Soused [12 inch Analog]

Soused [12 inch Analog]

  • アーティスト:Scott Walker + Sunn O)))
  • 出版社/メーカー: Hostess Entertainment
  • 発売日: 2014/09/23
  • メディア: LP Record
 

オリジナルアルバムに数えて良いのでは、という内容だったじゃないですか、と、もしお会いできるなら直接お話ししたい、でも彼のラジオで「Marc Almond」とか「Nick Cave」とかいう言葉が聞けるのはとても面白かったです、も伝えたいと思ったりした、ということがあった。

 

また、そんな激務の中帰宅したらUKに注文していたDawn Chorus And The Blue Titsの「I'm Going Down」7インチが届いていて、針を落としたら泣きそうなくらいに感動して、嗚呼また音楽に救われた、とか言って4回くらい連続で聴いたりしていた。そりゃあBruce Springsteenの史上最高の名曲のカヴァーだから悪いわけないのだけれども、こんなにも染みるとは、と自分でも軽く引くくらいに感動したものである。

 

っていう日々だったので、これからまた激務のダメージから立ち直って行かなければならない。今日の定期健診の血液検査やらなんやらの数値もダメダメだったので・・・。あ、血圧の数値は大丈夫だし、ここ数週間悩まされていた三半規管のめちゃくちゃ具合も改善はされつつあるから、まあ暴飲暴食を避け、ということだな・・・。

 

今日はリハビリ的更新なのでこんな感じで。Charlie Megiraの「Tomorrow's Gone」を聴く。

Tomorrow's Gone [12 inch Analog]

Tomorrow's Gone [12 inch Analog]

  • アーティスト:Charlie Megira
  • 出版社/メーカー: Numero
  • 発売日: 2019/11/01
  • メディア: LP Record
 

最早向かうところ敵なしのNumeroがコンパイルした、イスラエル出身の彼のコンピレーションである。これが、何だか物凄い不思議な作品集、なのである。否、音的にはそんなに大変なことにはなっていないのだけれども、全体としてこのコンピを聴くと残るのは、いやこれはどういうことなんだ、という無数のクエスチョンマークの嵐、なのである。まずアナログ1枚目はリヴァーブの効きまくった彼のギター1本と歌、がメインでロウな音質音、更にロッカバラードみたいな曲が多いし、彼のクールなヴォーカルも相まってElvis PresleyとかRoy Orbison、Carl Perkinsのデモかしら、か弱いLink Wrayのような曲もあるね、みたいな感想の古き良き時代のアメリカ、的音ではあるが、ヴォーカル入りの場合その言語はヘブライ語、というあれあれ、何か変だなあ、と思いながら詳細なブックレットを読んでみれば、彼は1972年生まれなのでほぼ私と同世代、だからこのアナログ1枚目を聴いた時の50~60年代の発掘音源なのね、とかいう印象はこの時点で粉々に崩れ去れるわけである。で、アナログ2枚目に針を落とすと今度はバンドの音になっていてヴォーカルは英語でJoy Divisionみたいな曲だったり、The Jesus And Mary Chainの「Just Like Honey」のインストヴァージョンみたいな曲だったり、The Cureの「Just Like Heaven」みたいな曲だったり、弱っちくなったDinosaur Jr.みたいな曲だったり(曲名が「Freak Junior」って、それは・・・)、The Crampsが劣悪な音質でユルくThe Missionの曲を演奏しているような感じだったり、という全くもってアナログ2枚で世界が違いすぎて腰が抜ける。とにかくこの何とも言えない癖になる違和感は、このコンピ全体を通して体感してもらいたい。彼は2016年に移住先のベルリンで自殺してしまったのでもうこれ以降の音源はないのだけれども、ブックレットにあったように、そのキャリア終盤での、もう少しで色々ブレイクスルーのチャンス、をちゃんとつかめていたら、とも思う。でも、この悲運のイスラエルロックンローラーの遺した音源を今こうして聴くことができるのは、せめてもの救いなのかも知れない。