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私の母は元日生まれで、今年75歳である。

 

母は、3年前に父が亡くなってから1人暮らしをしているのだけれども、私の職場と実家が嫌になるくらい近いのでちょくちょく会って話をするし、なんならよく電話もかかってくる。いまだにフィーチャーフォンを使っていて、メールも使い方わからないから100%電話でしか連絡を取れない。また、1回電話がかかってくると話は長く、そして一旦用件が済んで電話を切っても、言い忘れたことが、って大体2回目の電話がかかってくる。この間は遂に最多記録で4回目の電話がかかってきたりした。用件は、以前私がお土産で持って行ったクッキーが凄く美味しかった、という件だったり。

 

母は、話したいことを好きなように話す、時系列とかあんまり関係なく話す、登場人物とかの説明とか一切なしで話す、私が全てを知っているという前提のもとに話す、ので会話の際にはかなりの脳内まとめ能力が必要とされる。ということで、一番難解な話相手とよく話すおかげか、良い聞き手になってるだろうなあ自分、というのはおこがましいようだが自覚できる、そういう境地にまで最近至ったように思う。

 

母はまた、なかなか色々説明できないような行動をする人で、最近では例えば22日の土曜日の夜に、〇〇という店で6時半に待ち合わせて一緒にお酒飲んでご飯食べましょう、という約束をして時間通りに行くといなくて、おや珍しい、と思って10分くらい何もしないで待っていても一向に来る気配がなく、あらら倒れたかしら、と不安になって携帯に電話したら元気に出て、「22日よね、覚えてるわ土曜日よね」「いや、今日22日の土曜日なんだけど・・・」「ええええ!あらやだ!!!」となって15分後にタクシーで登場、とかいう人でもある。他にも、私の幼少期の頃の信じられないような行動の話とか、もう私の中ではお馴染みなのだけれども、普通に考えたら絶対におかしいんじゃないか・・・、という話がたくさんあるのだけれどもまあ、いずれ折りを見て・・・。

 

そんな母であるが毎日日記をつけている。この間話した時には、あまりにも現首相の夫人の行動が許せない、と怒り心頭したらしく(本人曰く「えそつきて、ごしっぱらやけて」、ということだった。これは母の故郷の石巻のディープゾーン、鮎川の方の方言だと思うので検索したら出てくるかな?)、新聞の当該記事を切り取って、猛烈なディスの言葉を綴って貼り付けたそうである。また、現首相の政策やら何やらは「的外れで何もハマってない」だそうである。日頃、全くポリティカルなスタンスを明らかにしないほのぼのとした(いや、血のつながった息子としてなかなか大変な)上記エピソードの母がここまでディスるんだから、ちょっと現政権はもうダメですね。覚悟しといた方が良いんじゃないですかね。

 

ということでVladislav Delayの「Rakka」

Rakka

Rakka

  • 発売日: 2020/02/27
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

を聴く。様々な名義で、また様々なユニットで活躍する彼の最新ソロアルバムである。このVladislav Delay名義では基本的には静謐で緻密な音響工作が印象的な音楽が多いわけだが(余談だがQuartet

Vladislav Delay Quartet

Vladislav Delay Quartet

 

だと音響ジャズダブ、みたいな音楽を追求してたけど、Sly And RobbieとかNIls Petter Molvaerと一緒にやったアルバム

NORDUB

NORDUB

  • アーティスト:SLY & ROBBIE
  • 発売日: 2018/04/06
  • メディア: CD
 

でも音響ダブっぷりがカッコよかったなあ。あ今度Sly & Robbieと一緒にやったアルバムも出るみたい、アナログ予約したけど

500-Push-Up

500-Push-Up

 

 )、この新作は何だこれ、という衝撃作、である。荒涼とした音風景の上に、まるで初めてドラムマシーンとかドラムパッドを手にして、しかも酔っ払ったかラリってるかめっちゃ怒ってるかして、兎に角勢いに任せて打ち込みまくっているような、めちゃくちゃ攻撃的な打撃音がビートを刻んだり刻まなかったりして乱れ飛ぶ、めちゃくちゃノイジーで大荒れの1枚である。もうなんかEBMの極北、みたいな音楽に聞こえる瞬間もあるけれども、EBMの方がまだ得体が知れている、というか怖くないわけで、この何だかアルバム一枚かけて山に発破仕掛けて爆発させる前に、凄い勢いで掘削して山全部崩してしまったような感じは(最後はずざああああああ、と終わる)、ちょっとあんまり彼名義のアルバムではなかったように思うし、周りを見渡しても昨今では見当たらないような、怒涛の作品。腰抜けますね、これ・・・。