Loveher

今年も大活躍しました、そしてこれからの厳しい残暑にも!AOBA NU NOISEのTシャツです。

aobanun

 

大体毎朝同じ電車の同じ車両に乗っていると、大体毎回同じメンバーと再会、となるわけである。もちろんお互いを認識しているわけではないから再会ではないし、そもそもメンバーでもない。何を言いたいかと言えばRIZEって本当に下らねえライム作りやがって、ということなのだけれども、まあそれはそれで。

 

朝7時5分に私の家の最寄り駅にやってくる電車は結構満員に近い勢いで、皆すげえ早起きしてんなー、と感心することしきりなのだけれども、大体私が毎朝乗り込む車両の定位置の席でいつも口を開けて寝ている女子高生がいる。

 

今は高校の期末テストのシーズンらしく(いや、「らしく」とか言っているが、シーズン「なのである」。何故か私はそのあたりよく知っている。)、毎朝地理とか化学とか政経とかのテキストを手にしてはいるのだけれども、私が毎朝最寄り駅から乗り込む時にはもうそれで勉強するどころではなく所謂爆睡、である。顔にはうっすらとファウンデーションも塗っているようだし瞼の辺りにも軽く色が着いていて、なかなかに洒落た感じだのう、と私も音楽を聴いて、汗を拭いたりしながらちらっと見たりして思っているわけだ。

 

制服からわかるのだが、私がいつもレンタサイクルに乗るために降りる駅の最寄りの高校に通っているようで、毎朝私と同じ駅で彼女も降りる。不思議なことに最寄り駅の近くになるとさっきまで口を開けて爆睡していたのにしゃきっとなって、鏡を手に前髪とかを直して颯爽と降りていくので、本能みたいなもんなのかな、乗り過ごしたりしないんだな、と感心することしきり、である。思えば私なぞ電車内で寝落ちしまくって大分最寄り駅から遠く離れた駅で降りたこととか、なんなら座席から滑り落ちて床で寝ていたこととかもあるのにな、と情けない気持ちになったりしたものだが、まあアルコールの影響がないからなのでしょう・・・。

 

でも私は知っている。その私も毎朝降りる駅の大きな柱の陰に、全くいることもわからないくらいにすっぽり隠れるような勢いで、同じ学校に通う男の子が毎朝立って待っていて、いつも彼女は電車の中での寝顔からは想像もつかないような笑顔で毎朝その男の子のところに駆けて行って、連れ立って学校へと向かっていくことを。この間早朝の地震のおかげで電車が大分遅れた朝もその男の子はちゃんと待っていて、遅れた電車で来た彼女と落ち合って仲良く学校に行っていた。

 

そんな2人の姿を見て、そういう10代の過ごし方もあったのかな、と毎朝レンタサイクルを漕ぎながら私も考える。私ももしそういう朝から始まる学校生活を送っていたりしたら、CurveとかDead Can DanceとかKitchens Of DistinctionとかNick Cave And The Bad SeedsとかSlowdiveとかBlind Mr. JonesとかSilverfishとか関係ないような、朗らかな10代の時間を過ごしていたりしたのだろうか。

 

いーや、そういう素晴らしい音楽と出会うことのないつまらない10代じゃなくてよかったぜ、とかよくわからない肯定感で結局毎朝満たされるだけなのだけれども。でも、ちょっとあの高校生たちみたいな時間が過ごせても良かったのかもな、とか思ったりもする、時も、あることは確かだ。

 

Romyの「Mid Air」ってアルバムも凄く良いから2023年の自分も楽しいんだぜ、もう40代も終わりに近づいているんだけども。

ご存知The XXの彼女のソロアルバムである。The XXのソロ、と言えば昨年はOliver Simの

悲痛でありながらも力強い、いわばカミングアウトアルバムもあった(Jimmy Somervilleのまるで守護天使のような参加の仕方とかマジ泣けたな)わけだが、こちらの同じくクィアであることを公言しているRomyのアルバムは、よりダンスフロアフレンドリーな、Fred AgainやらStuart Priceやら豪華プロデューサー陣も迎えた、哀愁メロディに彩られたダンサブルなナンバーだらけで、まあ夢中になってしまうわけである。歌詞に関してはパートナーへの愛情やら、哀しみ、セクシュアリティ、という感じでカミングアウトからカミングスルー、という表現をどこかで読んだがなるほど確かに、と納得することしきり、である。音もここ3.5枚くらいのEBTGがもっと華やかだったら、というような感じやトランス一歩手前とも言えるような(あまりよく知らんが)曲もあって、兎に角粒ぞろいで一気に聴けてしまう。そんな中でもJamie XXの手掛けた「Enjoy Your Life」はサンプルも含めハッと耳を惹かれる会心の一撃で見事に撃ち抜かれる。いやーThe XXの皆さん、ソロアルバムとかシングルとかも本当にどれも素晴らしいけど、そろそろ3人でまた、どうですか。