Sugar Daddy

AOBA NU NOISEのTシャツです!

aobanun

よろしくです。

 

さて、先週土曜日はAOBA NU NOISEにお越しの皆さま、大変ありがとうございました!

 

ふたを開けてみればDJに関してはCall and ResponseレーベルボスのIan Martinさんと、急遽代役で登場したMenchan以外、Ryotaさんと私たちEVOLというおなじみのメンツ、ライヴはWaikiki Champions以外は1人ユニットばかり、という考えてみれば実に通常進行のAOBA NU NOISE的なフツーの、けれどもすごく濃い内容のリリースパーティだったのですが、たくさんのお客さんのご来場をいただき、個人的には18年くらいやってきてて1、2を争うくらいの楽しさでした。実は結構毎回楽しいんですが、Waikiki Championsのリリースパーティ、というのもあって無駄に感極まった瞬間が、あったなあ・・・。

 

とは言え内容はセンチメントとは無縁な刺激に溢れていて、めちゃくちゃ本当に皆さん面白くて、7時間があっという間でした。ちなみにそんな中で私たちEVOLは40分間×2セットの悪ノリ祭りだったので、皆さん本当に申し訳ない、というくらいに楽しくレコードかけ倒してました。今回は珍しく私たちのその様子の動画とかがSNSにアップされていて、それを見るとDerek BaileyのTシャツを着た白髪交じりの成人男子が無邪気に、そして楽しそうにHappy Mondays「Tokoloshe Man」で体を揺らしていて、あらあら微笑ましいこと、と思ったのだがそれは自分だったというね・・・。

 

ところでそのAOBA NU NOISEでは中学校の同級生、駄菓子屋「よしぎの」がおでんの出店をしていて、それはそれは美味しかったのだけれども思えば昔、20代とかの頃はおでんってそんなにテンションの上がる食べ物ではなかったように思う。

 

それはもしかしたら実家にいた頃はおでんという食べ物がそんなにピンと来るものではなかった、ということに起因するのか、もしくはそれ以降自分ががんもどきとかさつま揚げとか厚揚げが本当に大好きだ、と気づいたからなのか知らないが、ここ15年以上は「おでん=ブチ上がる食べ物」になっていることは確かだ。

 

そして家以外でも、おでん屋に行く、という予定があれば遠足の前の日の子供みたいに眠れない、というのはオーヴァーだけれどもそれに近い勢いでわくわくするし、実際行けばセロトニンが出まくって「幸福」という二文字を頭に浮かべながら熱々のおでんを食べたりする昨今である、夏でも冬でも。これはおでんの美味しさに気づくのが遅かった男が今までを取り戻す勢いでおでんを愛でているのだろうか。

 

とか思うのだけれども、お好みの具でおでんを食べたりする場合、大根選んだり玉子を選んだり、は全然していないことに今気づいた。だから、もしかしたら所謂スタンダードなおでんが好き、というよりか自分の好きな食材がおでんのような味、煮込みまくった出汁が浸みまくった味に調理された状態とかに激しく反応し始めた、ということなのだろうか。

 

そしてそれってもしかして歳を取った、ということなのかしら、とか思い始めたけれどもそれはうやむやにしたい。おでんが好きです、ということで丸く収めたい。ちなみに私の今まで経験した中でのフェイヴァリットおでんの具は、豆もやし、豆腐、厚揚げ、がんもどき、トマト、油麩、里芋、である。ちょっとなんか、オルタナティヴ路線、なのかも知れないここに於いても。

 

どうやらおでんに於いてもオルタナティヴ志向の私はLaikaの「Silver Apples Of The Moon」を聴いていた。

Silver Apples of the Moon

Silver Apples of the Moon

  • アーティスト:Laika
  • Too Pure /vital Dist
Amazon

意外な場所にある意外なお店で、マジでひょんなことからアナログを入手して久々に聴いている。再発なのだけれども出ているの知らなかったし、なんなら今やレア化しているようである再発ですら。元Moonshake(もっと遡れば元God Is My Co-Pilotだとか)のMargaret FiedlerとMy Bloody ValentineやらUltra Vivid SceneやらAir Miamiやら手掛けた作品は枚挙にいとまがないGuy Fixsenによるユニットの1994年のファーストアルバムである。何でも2人してやりたいことをやりまくったアルバムらしく(Margaret嬢は気に入っていないらしいが)、当時でも何だか突き抜けて変な音響の掴み所のないアルバムであった。そして今回久々に聴いて驚いたのだがその掴み所のないわけわからなさには、「○○みたいな」というリファレンスをことごとく拒むような気合いが感じられて、そういうぶっちぎりの不思議な音楽なのであった。「ポスト・ロック」という言葉は彼らを形容するために誕生したという説もある、そういう音である。ただとにかくベースがデカい。ここだけはリファレンスとしてPILとかを想起はするのだけれども、あとはジャジーな展開があっても結果的にそういう印象ではないし、ブレイクビーツっぽさとか、なんならトリップホップとかとも言われているみたいだけれども、そのどれともやっぱり違う、不思議な、今聴いても「新しい」1枚。色々な音が目まぐるしく出たり入ったりするサンプリングの狂気を感じられるけれども破綻していないのは、曲の構成がしっかりとMargaret嬢のウィスパー気味のヴォーカルでまとめられて統一感があるからだろうか。ぶっちぎりで90年代半ばに不思議バンドの宝庫だったToo Pureレーベルの真髄を感じられる名作である。このあと更に3枚アルバムを出していたけれども最後のアルバムから20年、どうしているのかしら。